Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

奈落の底から抜け出すには

良かれと思ってしたことなのに。ちょっとカッコつけてみたかっただけなのに。
人生は、ほんの些細なことで大きく変わってしまいます。

そして落ちてしまった奈落の底。どうやったら抜け出せるのでしょうか。

 

乾ルカさんの『明日の僕に風が吹く』

川嶋有人は、中学2年の『あの日』を境に、引きこもり生活を送っていましたが、離島の診療所の医師を務める叔父に勧められて、離島の高校に進学します。

そこは、奈落の底。何もかもが筒抜けの村社会で、生徒はたったの5人。

いったいどうして叔父さんは、僕をここに連れてきたのだろう。

明日の僕に風が吹く

チャンスを逃すな。動け、行動しろ。

引きこもっていた有人は、叔父さんに誘われて部屋から踏み出します。

取り返しのつかないことをした、もはや夢も希望もないと、家族と顔を合わせるのも避けていたわりには、あっさりと出てくるものです。

大好きな憧れの叔父さんの言葉だからかもしれませんが、有人自身もまた、部屋を出るきっかけを探していたからのように思えます。

人には、前に進む生命力が備わっています。

有人の憧れの叔父さんは、こう言います。

どんなに世界に絶望したとしても、それが世界のすべてじゃない

離島留学し一歩踏み出した有人に、有人の兄はこんな言葉をかけます。 

東京だろうがしまだろうが、動け。行動しろ。
動けるくせに止まったままは、マジで意味ない。
動かないで留まっている時間だって、取り返しがつかないものの一つだぞ

奈落に落ちてしまうのは一瞬だけれど、 奈落から抜け出すのには時間がかかります。動かなければ、抜け出すチャンスを見つけることはむずかしい。

小さなチャンスを逃さずにつかんで、少しずつ、進んでいくのです。 

  

あの日と絶望を切り離せ 

有人は、『あの日』が自分の人生を変えたと引きずっています。叔父さんも、人ひとりの人生を変えるのに十分なインパクトのある出来事だと認めています。

ところが、『あの日』に一緒に未来を失ったと思っていた相手には否定されます。 

取り返しがつかないお仲間に、私を巻き込まないで。(中略)
こんなことで人生狂ったなんてへこたれるほど、弱くないの。

私は、ちゃんと生きてるし、やりたいことだっていっぱいある。駄目になったなんて一ミリもおもってない。

でも川嶋くんは、自分と一緒に私の未来も駄目になったって決めつけた。それってすごく失礼だよ。まるで私が死んじゃったみたい。

もう人生は終わりだ、夢も希望も持てないと思ったのは、そのくらい大変な出来事だったということで、本当に人生が終わったわけではありません。 

奈落の底に落ちたと感じているのは自分だけで、ココは奈落ではないかも。

悩める有人に、離島の高校で同級生になった誠がこう声をかけます。

おまえの『あの日』ってのは、変えられねーよな。
過去は変えられねーんだ。(中略)

でも、過去をどう思うかってのは変えられるよな、今の自分で

『あの日』の自分があって、今日の自分があります。

『あの日』の経験で人生が変わったことは、間違いありません。でも、どう変わるかは、これからの自分次第です。

『あの日』を後悔しているなら、十年後、二十年後の自分が『いま』を振り返って後悔しないように生きることを考えて進まなければ!

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。