Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

にゃんにゃん 話を聞いておくれ

昔、旅行に出かける友人から 、留守中の猫の世話を頼まれたことがあります。

この子は愚痴を聞くのに慣れているから、いい話し相手になるわよ、と言われたのですが・・・・さてさて、猫は話し相手になったでしょうか。

きょうは、猫とおしゃべりする話を紹介します。

 

天野頌子さんの『タマの猫又相談所』シリーズ

草薙家で暮らす猫の妖怪、猫又のタマ。人間の言葉を話せることを少年・理生に知られて以来、相談相手を務めています。

高校の花道部と茶道部の和室の利用権をめぐるバトルに巻き込まれた、理生くんの生活を猫又タマが語ります。 

助けは期待していない

猫を相談相手にする少年と言えば、ドラえもんのび太を思い出します。

ただ、猫又タマは話ができるだけで、未来の便利グッツを出して助けてはくれません。それでも、理生くんが、何かというと「助けてタマ~」と泣きつきます。

これは、相談相手に求められているのは、問題解決よりも、悩める心を受け止めることを示している気がします。

自分で何とかしなきゃいけないのは分かっている、ただ、話を聞いてほしいだけ、そんな感じでしょうか。

 

宇江佐真理さんの『深川にゃんにゃん横丁』

江戸は深川の猫がたくさん住み着く にゃんにゃん横丁で、長屋の大家になった徳兵衛が住人のために奔走する人情物語。

深川にゃんにゃん横丁 (新潮文庫)

深川にゃんにゃん横丁 (新潮文庫)

 

返事も期待していない 

にゃんにゃん横丁の猫好き住民の毎日は、猫と共にあります。

泰蔵は、離れて暮らす娘の代わりに白い猫を飼い始め、猫は名前を呼ばれると応え、「うまい、うまい」と言いながらご飯を食べます。空耳でしょうか。

新しく越してきた隠居の旦那は、人を相手にするように「何だかなあ、この世の中はなあ」と猫に話しかけたの後で、猫に「何だかなあ」と返されて大慌てします。話しかけてはいても、返事があるとは期待していないのです。

 

あなたの話を聞いています、という姿勢をみせてほしい

冒頭の友人の猫は、話し相手にはなりませんでした。何を言っても、こちらを見向きもしないから、話す気分が失せてしまうのです。

話したいという感情は、自分の中に渦巻く怒りや悲しみ、モヤモヤを吐き出すことが一番の目的なので、「その気持ち、分かる~」という同意や「そういうときは、こうしたらいい」というアドバイスは省略可能だけれど、話を聞いてもらえなければ、始まりません。

猫さん、話している間、こちらに顔を向けていてもらえませんかね?

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。