Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

『ひとつ』になりたいという誘惑

あなたは多数派?、それとも少数派ですか?日和見派もありますね。

日和見は、優柔不断と批判されることもあるけれど、「とりあえず、みんなに合わせておくかー」も、ひとつの判断です。

 

恩田陸さんの『月の裏側』

たぐいまれなるトラブルに引き寄せられる才能の持ち主、多聞。

多聞が大学時代の恩師が暮らす街を訪れると、そこでは3人の女性が失踪し、しばらくして失踪期間の記憶を失って戻ってきたといいます。

多聞と教授に、失踪事件を追う新聞記者、教授の娘が加わり、事件について調べているうちに、失踪し戻ってきた人は、姿形をその人に似せた人間ではないモノにすり替わっていることに気づきます。

月の裏側 (幻冬舎文庫)

多聞たちは、当初は自分が失踪者になって(=さらわれて)人間ではないモノになることを想像して脅えていますが、やがて、他の住民たち皆が人間ではないモノになった場合も安心できないことに気づきます。少数派になると分が悪くなりますから。

それならば、いっそのこと。。。

我々は常にあれにつかまりたいという誘惑と戦っている。
『ひとつ』になりたいという誘惑だ。

宗教も、家族も、社会も、我々の『ひとつ』になりたちという誘惑が生み出した形式なのではないかと思うことがある。

なぜなら、個々に自分の戦略を探るのは大変なストレスが伴うが、『ひとつ』になるのは楽だし何も考えずに済むからだ。

新型コロナウィルスで揺れる状況は、ちょっと似ている気がします。

最初は、感染したくないと防御態勢に入りますが、やがて、いつまでも家に閉じこもってはいられない、感染して抗体を持とうという発想が出てきます。

 一日も早く、ワクチンができますように。 

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。