Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

世界の不完全さを、思いやりと友情で補完しよう

今年の大型連休は「ウチで過ごそう、STAY HOME週間」とされていましたが、あなたはどのように過ごされましたか。

さまざまな人が困難に直面していることが伝えられる中で、外出しないことが協力だなんて、まるでお手伝いしようとウロチョロして、叱られる子供のよう。無力感で悲しい気持ちになっている方も多いとおもいます。

きょうは、思いやりの手を伸ばすことをテーマに紹介します。

 

坂木司さんのひきこもり探偵シリーズ『子羊の巣』

ひきこもりの友人、鳥井の関心を少しでも外の世界に向けようと、ちょっとした謎解きを持ちかける坂木くんの話。 

※これからお読みになる方は、ぜひ第一作目 『青空の卵 (創元推理文庫)』から!

人助けは、手を伸ばして届く範囲で十分 

坂木くんの鳥井に向ける思いやりは筋金入り。保険外交員という仕事に就いたのも、鳥井を世話する時間を融通しやすいことが理由です。

坂木くんの、鳥井を中心に生活が回っているかの生き方の背景は、物語が進むに連れて明かされますが、幼い頃、おばあちゃんに自分の無力さをこぼしています。

これに対して、おばあちゃんは「手を伸ばして届く範囲で、人助けをすればよい」と声をかけます。

治療薬やワクチンの開発を手伝えなくとも、きっと何かできることがあるはず。最近、動画配信が増えているのは、そんな取り組みのひとつですね。

私たちは、大きなことを成し遂げられないからと、嘆くことはありません。どんなに小さな事であっても、外出しないだけの消極的な協力であっても、世の中を良くすることに貢献しているのですから。

 

ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

著者の息子は、裕福な家庭の子供が通う名門のカトリック小学校を卒業後、労働階級者の子どもが通う中学校に進学します。 そこは、英国社会をリアルに反映する殺伐とした環境。校風の落差に耐えられるかと心配し見守る著者が、息子を通して見えてきた貧困や格差社会、人種の多様性などを考えた日々。 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
 

手を差し伸べる理由は、「友だちだから」で十分

息子が貧しい家庭の友だちに服をあげたいと言い出し、著者のブレイディさんはアイデアには賛成なものの、相手を傷つけないかとためらう場面が出てきます。

ブレイディさんの様子に構わず、服を渡した息子は、案の定「どうして僕にくれるの?」という質問にでくわし、「君は僕の友だちだからだよ」と答えます。

手を差し伸べる理由は、「友だちだから」で十分なのですね。

いざ人助けをしようとすると、問題を抱えているたくさんの人の中で誰を助けるのか、一部の人に肩入れすることにならないか等の疑問が湧きだしてきます。善意の行動を止めてしまうこともあります。

一個人が全ての人を助けることなんてできはしないのだから、人助けをするのには難しく考えない方がいいのかもしれません。

 「友だちだから」「たまたま出会ったから」 それで、ほんの少しであっても、助かると思ってもらえるなら、それでいいのです。

もっと気楽に、思いやりの手を伸ばしていきましょう!

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。