Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

大切な人を亡くしたときに、どうやって立ち直っていくのか

私たちは、死から逃れることはできません。

自分自身の死。そして、大切な人の死。残され、喪失感を抱えた私たちは、どのようにして日常を取り戻すのでしょうか。

 

小路幸也さんの『モーニング』

大学時代の4年間を一軒家で共同生活を送り、強い絆で結ばれた5人、ダイ、淳平、真吾、ワリョウ、ヒトシ。二十数年後、真吾の死によって、卒業以来バラバラになっていた仲間が再会します。

葬式が済み帰ろうかというときになって、淳平が自殺すると言い出し、3人は思いとどまらせようと、淳平が運転する車に乗り込みます。

大切な仲間を亡くした男たちのロングドライブが始まります。 

モーニング Mourning (実業之日本社文庫)

モーニング Mourning (実業之日本社文庫)

  • 作者:小路 幸也
  • 発売日: 2010/12/04
  • メディア: 文庫
 

故人を偲ぶ時間が気持ちの整理をうながす

淳平が「死ぬ理由を思い出してくれたら、自殺をやめる」と言ったこともあり、ドライブ中の話題は、共に暮らした濃密な4年間の思い出。笑いながら泣きながら、みんなが大好きだったあの人のこと、亡くなった真吾のことを語り合います。

大切な人を見送るのには、お葬式に出て、泣いて、それだけでは不十分。というか、心がついていきません。

故人に関わることを、良いことも、悪いことも、楽しかったことも、悲しかったことも、なにもかも思い出す、そんな偲ぶ時間があって、やっと気持ちの整理がついていきます。

 

映画「ある天文学者の恋文(Correspondence)」

ジュゼッペ・トルナトーレ監督、ジェレミー・アイアンズさん、オルガ・キュリレンコさん主演)

天文学者エドと教え子のエイミーは、秘密の恋人同士。なかなか会えませんが、ビデオ通話やチャットで四六時中つながっています。

ある日、エイミーがエドの受け持つ授業に出席したところに、エドからのメールが届きます「僕の代理は誰が務めるのかな?」不可思議に思う間もなく、そこでエドの訃報を告げられます。

愛する恋人エドは、本当に死んでしまったのか。そうなら、なぜメッセージが届くのでしょうか。 

ある天文学者の恋文(字幕版)

ある天文学者の恋文(字幕版)

  • 発売日: 2017/03/04
  • メディア: Prime Video
 

残された者の人生は、続いていく

亡くなった恋人からメッセージが届くという謎は、早々に明かされ、病に侵され余命宣告を受けたエドが、生前に仕組んだものと分かります。

エイミーは、次々に届くエドのメッセージを受け取りながら、恋人の不在を受け入れていきます。やがて、最後のメッセージ。エイミーが立ち直るときが訪れます。

死者を弔う法要は、お通夜に始まり、告別式、初七日、四十九日と続いていきますね。多忙な毎日を送る現代人からすると、まどろっこしい儀式のようにも感じますが、 大切な人を亡くしたという現実を受け入れるのにかかる時間に合わせて、少しずつ儀式が進むと考えると納得できます。

大切な人を亡くしたとき、 世界が一変してしまうように感じます。そんなとき、無理に頑張らなくてもいい、とっぷり悲しみに浸っていいのです。

でもその後は、すぐでなくていいけれど、いつか立ち直って、世界に戻らなければなりません。残された者の人生は、続いているのですから。 

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。