Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

みんな独りぼっち。だから、行き詰る。だから、つながりたい。

あなたは、独りぼっちの寂しさを感じることがありますか。 

それは、誰もが一度は落ちる、暗い穴。

もう二度と落ちたくないし、他の誰にも落ちて欲しくありません。

 

朱野帰子さんの『対岸の家事』

結婚して子供が生まれたら、家事に専念すると決めた詩穂は、ママ友を作ろうとしますが、同じ専業主婦の女性が見つかりません。時流に乗り遅れた不安を抱きますが、時代の先端を行く生き方を選択をした人たちも同じ悩みを抱えていることに気づきます。

家事や育児、介護に押しつぶされそうな人たちの奮闘を描くストーリー。 

対岸の家事

独りぼっちの人があふれている

『対岸の家事』には、独りぼっちの人がたくさん出てきます。

主人公の詩穂は、恋愛結婚をした夫と愛娘と暮らしていて、夫は一日一回、ちゃんと話をする習慣がありますが、独りぼっちの寂しさを抱えています。

ワーキングマザーの礼子は、キャリアと家庭の両方を手に入れ、最先端の暮らしをしています。会社に行けば、共に働く仲間がいるのに、独りぼっち。

私たちの心は、分かり合う相手を求めている

独りぼっちと聞くと、真っ先に一日中誰とも話さない状況が思い浮かびますが、大勢に囲まれているときに感じる独りぼっちもあります。それは、荒野にただひとり自分だけが取り残された独りぼっちよりもキツイ、精神的な独りぼっち。

私たちの心は、日常で感じていることを分かり合う相手を求めているもので、それが満たされないと、独りぼっちだと感じます。

誰だって穴に落ちることがある。私だってそうだよ。落ちそうになった。みんな一度はそういうことがあると思う。

境遇が異なっても、分かり合える

今どき、専業主婦は珍しくて、詩穂は、小説の最後まで、夫に先立たれた70代のおばあさんを除くと、同じ専業主婦をしている人には出会いません。でも、詩穂は独りぼっちの寂しさから抜け出します。

ワーキングマザーと専業主婦、交わるはずのない線だった。でも、選んだ人生はまるで違うけれど、二人とも同じ穴を見つめて生きている。穴の縁ギリギリを一人で歩いている。

(中略)もっと話したかった。いろんなことを、他愛のないことを。

私たちは、自分に似ている人に親しみを感じるから、境遇が似ている人と仲良くなりやすい。けれど、境遇が異なっても、似たところ、分かり合えるところを見つけることはできます。

独りぼっち同士がつながったら、もう、独りぼっちではありません。 

だから、つながりたい、そう思います。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。