Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

二・二六事件を考えてみると

あなた歴史がお好きですか。

年号の羅列を暗記するのは退屈だし、昔のことには興味ないという方も、史実を元にした話なら、楽しみながら、史実の知識を得ることができます。

きょうは、二・二六事件を扱う小説を紹介します。

 

宮部みゆきさんの『蒲生邸事件』

2月26日、予備校の試験を受けるために上京した孝史は、ホテルで火災に遭います。薄れゆく意識の中で助けられ、気がついたときにいたのは、なんと昭和十一年。二・ニ六事件が起こる最中にタイムトラベルしてしまうストーリー。 

蒲生邸事件

蒲生邸事件

 

 

恩田陸さんの『ねじの回転』

国連が時間遡行の技術を管理している時代、二・二六事件が歴史の転換点として選ばれ、事件の四日間をやり直すことが決まります。この世界人類を助けるためのミッションに、ハッカーが侵入したり、青年将校たちが今度こそは革命を成功させようと暴走したり。果たしてどうなるのでしょうか。 

ねじの回転 上 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

ねじの回転 上 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

  • 作者:恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/12/16
  • メディア: 文庫
 
ねじの回転 下 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

ねじの回転 下 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

  • 作者:恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/12/16
  • メディア: 文庫
 

 

どちらも二・二六事件のことを知らなくても、楽しく読めて、読んでいるうちに、少し事件のことが分かってきます。

『ねじの回転』の中に、二・二六事件の状況を言い当て妙に説明しているセリフが出てくるので紹介します。

「これは日本的な事件だな。責任の範囲と所在の曖昧さ、コミュニケーションよりも隠蔽を『和』と呼んで喜ぶ欺瞞。非常に日本人らしい。記録を読むと、それぞれの言うことは決して極端なものではないし、誰も悪い人はいない。みんな、互いによかれと思っている

 

青年将校たちは、陛下の正しい判断を側近が邪魔しているのでそれを取り除きたいと望んでいる。
彼らの上官は、部下の気持ちが義憤だと知っているので無下にできない。
陛下は国民の困窮など全く知らないから、青年将校の気持ちなど全く有難くない。
陛下の周りの人々は、陛下が胸を痛めるのを恐れて国民の実情を教えない。また、彼らは青年将校たちが陛下を慕っているのもよく知っているから、陛下が彼らを怒っていることも言えない。
見よ、この『思いやり』のオンパレード。極めて日本人的だ」

青年将校たち、上官たち、陛下の側近たち、そして国民。私たち個人は歴史の流れの中では、ちっぽけな存在にすぎないけれど、そのちっぽけな、ひとりひとりの言動の積み重ねで歴史は作られています。

事件は、誰かひとりの悪い奴のせいではなく、起こるべくして起こった のです。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。