Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

私の中の、もうひとり...いろんな自分に愛をおくります。

あなたは、誰かに「意外だ」と言われたことはありますか。

ひとには、タイプとかキャラと言われるものがあるけれど、パッと見では計り知れない面を持っていたりもします。

きょうは、たくさんの人格を持つ人物の話を紹介します。

 

宮部みゆきさんの『この世の春』

北見藩で藩主の重興が乱心のため、26歳の若さで強制的に隠居させられるという政変が起こります。なんと、重興には、父親である先の藩主が殺りくした被害者の死霊が取りついているというのです。本当に、名君と評判だった先の藩主には悪徳非道な裏の顔があったのか。死霊を追い出すことはできるのでしょうか。

数奇なめぐり合わせで、重興の世話係となった娘、多紀の物語。 

この世の春 (上)(下)巻セット

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  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: セット買い
 

当初、死霊が取りついているとされた重興ですが、早い段階で、死霊ではなく、重興の別の人格であることが分かり、何が起こったのかという真相の究明へと話は展開していきます。

重興の別人格の一つ、琴音が、重興に話しかける場面がでてきます。

わたしも羅刹(重興の別人格の名前)も、あなたの一部だ。
この姿も声も仮初のものだ。
わたしも羅刹も、あなたのために生まれた。
あなたがわたしたちを必要としていたから。

多人格になったことで、重興は藩主の座から下ろされるし、大変な目にあいますが、別人格は、当人を助けるために生まれています。 

 

ダニエル・キイスさんの『24人のビリーミリガン』

多重人格という言葉を世に知らしめた話題作。

3人の女性に強盗、強姦殺人を犯して捕まった青年ビリー・ミリガンには、24もの人格がありました。彼が複数の人格を持つに至った経緯、どんな生活を送っていたかを描いています。驚愕のノンフィクションです。 

 

多重人格という言葉を聞くと、なんだかたいそうなことのように聞こえます。実際ビリー・ミリガンの話はものすごいのですが、いろんな自分がいるという言い方をしたら、珍しいことでもないような気がしてきます。

引っ込み思案な人が、誰とでも仲良くなる友だちを真似て、初めての人に会う場面を乗り越えたり、悩みごとがあるときに、あの人だったらどうするだろうと考えたりすることがあります。悩みを抱える人に、自分一人で、悩みの相談者とアドバイス役の二役をこなすことが勧められることもあります。

思うに、いろんな自分がいることではなくて、自分をコントロールできなくなってしまうことが問題。いろんな自分はどれも自分。だから大切にしたいと思うのです。 

  

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。