Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

台湾に想いをはせています

あなたは、台湾に行ったことはありますか。台湾に友だちはいますか。

台湾は、飛行機でほんの数時間と地理的に近くて、歴史的な関わりも深い国だけれど、改めて考えると、あまりよく知らないことに気づきます。

きょうは、台湾をテーマに紹介します。

  

乃南アサさんの『六月の雪』

30歳の未来が、台湾で生まれ育った祖母の生家を探して、台湾の日本統治時代の痕跡をたどる旅物語。 

六月の雪

六月の雪

 

未来は、祖母が台湾の家に帰りたいと言い出すまで、祖母が台湾出身であることも、台湾が日本の植民地であったことも知りません。台南の街に日本的な建物が立ち並ぶのを目にして「ここは日本だった」と思う一方で、それらが古びて取り壊されなくなることも感じ取ります。

台湾で過ごす最後の夜に、未来はこう言います。

今日、あの「六月の雪」と、日本時代の家を見ながら、思ったんです。
一瞬一瞬が過去になっていくんだなって。今、この瞬間も。
日本が台湾を植民地にしていたことも、何もかもがどんどんと過去になっていく。たとえその時代を懐かしんで、戻りたいと望む人がいたとしたって、それは絶対に無理なんだな。二度と戻れないんだなって、考えていました。

たとえ過去が素晴らしくても、それを取り戻すことはできないし、過去の悪いこと、過ちを消すこともできません。それなら、過去にはとらわれずに良い未来を、共に楽しい未来を作っていくことに集中するのがいいのかも。

 

一青妙さんの『私の箱子(シャンズ)』

台湾人の父と日本人の母を持つ作者は、実家を取り壊すときに出てきた手紙や日記、写真をきっかけに、子供時代を思い出したり、両親の軌跡をたどるエッセイ。 

私の箱子

私の箱子

 

作者の父は、日本統治下の政情で富を築いた名家の跡取り長男。日本人として生まれ育ちながら、敗戦により日本人であることを否定され、アイデンティティに悩み続けたといいます。日本を愛するがゆえに、愛するほどに大きな苦しみを抱えたことが想像できます。

ふたつの国の間で生きている人は、政情に翻弄されがちですが、また同時に、ふたつの国を結びつける役割をも担っています。

日本で暮らす外国人と親しくしたり、仕事や休暇に他の国を訪れたり。一人でも多くの人が一つでも多くの国とつながりを持つことで、その重荷は和らぐし、楽しいことも増えていきます。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。