Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

自分らしい物語を見つけよう

あなたは自己紹介をするのが得意ですか。 

長い人生を限られた時間にまとめるのは難しいし、恥ずかしい気もしますね。 

きょうは、自分物語をテーマに紹介します。 

 

吉野万里子さんの『シネマガール』

平凡女子の真琴が勤める私立大学の総務課に、容姿端麗な初代理事長の孫のリラがやってきます。ハリウッドの映画制作会社で働いていたリラは、映画のストーリーから人生のヒントを見つけるのが得意。真琴の片想いや学生の失恋、大学廃校の危機までもが、ドラマティックに輝きだします。 

シネマガール (角川文庫)

シネマガール (角川文庫)

 

真琴は、ある世界的に有名な環境学の研究者に何年も恋していますが、事務員の女の子に過ぎない自分は釣り合わないと諦めています。同じ状況が、リラにかかると愛を育むラッキーな障壁になります。

運命の人って、神様が決めるんじゃなくて、
きっと自分が決めるものだからね

ありふれた表現だけれど、自分の人生の主役は自分。自分なんかと遠慮せずに、自分の望むストーリーを生きるのがいいのです。

 

近藤史恵さんの『スティグマ―タ』

自転車ロードレースの最高峰ツールドフランスで、かつてのエース選手メネンコが復活します。メネンコは、あらゆるレースで優勝した英雄であり、ドーピングを告発され引退に追い込まれた裏切者。

フランスのプロチームに所属する日本人アシスト選手のチカに、メネンコはレースに出たら殺すと脅迫されていると打ち明けてきます。しかしその一方で、メネンコは周囲の人をイラただせ、挑発する言動を繰り返します。

メネンコの真意はどこにあるのか。不可解な謎を内包してレースが進みます。 

スティグマータ (新潮文庫)

スティグマータ (新潮文庫)

 

過去にメネンコと揉めたというウィルソン選手は、プロ選手には美しい物語(イストワール)が必要で、メネンコはイストワールを欲しがっていると言います。

たしかに、私たちは人をその人の物語でとらえてしまいます。血液A型で繊細な人、東大卒で賢い人、〇〇出身で◇◇な人という具合に。分かりやすい物語は受け入れられやすく、難解だと、何を考えているのかが分からない変な奴と選別されます。

物語は人の数だけあって、職業に貴賎がないように、物語にも優劣はないはず、少なくとも表向きはね。 物語があって人があるのではなく、人があるから物語が生まれます。 

だから、目指すべきは万人受けする物語ではなく、自分自身が納得できる物語。

過去は消せない。
だが、物語の結末は書き続けることで変えることができる。

物語は生きている間、ずっと続いていきます。 

 

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近藤史恵さんの『サクリファイス』シリーズ、おすすめです。 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。