Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

大切な人を亡くした後の生き方

人生はままならないもの。

きょうは、大切なものをなくす経験にどう向き合えば良いのかを考えます。 

 

梶よう子さんの『はしからはしまで みとや・お瑛仕入帖』

江戸の茅町に三文均一の雑貨屋「みとや」の看板娘、お瑛は幼い頃に両親を亡くし、借金の形に両親の店と家を取られて以来、兄の長太郎と助け合って生きてきましたが、長太郎が食中毒で急死し、天涯孤独の身の上になります。

お瑛は、長太郎が仕入れで訪れていた先々を訪ね、長太郎のことを聞いて回ります。すると、若だんな気質で頼りなく感じていた兄の別の顔が見えてきます。 

はしからはしまで: みとや・お瑛仕入帖

はしからはしまで: みとや・お瑛仕入帖

 

兄を亡くしたお瑛は、周囲の人たちの温かい気遣いに包まれて、少しずつ癒されていきます。亡くした兄の代わりになるものはないけれど、亡き兄と共に築いたものは消えません。

遍くすべて、隅から隅まで『みとや』はあたしと兄さんの店だ。
あたしはここでたくさんの人と出会って、笑って泣いて暮らしていくのだ。大切な時を生きていく。

お瑛は、これまでの全てを抱えて生きていくのです。

 

 尾角光美さんの『なくしたものとつながる生き方』

グリーフケア活動団体「リヴオン」を立ち上げた著者が、母と兄を亡くした自身の経験を元に身近な人を亡くした痛みと折り合いをつけて暮らしていくことをつづったエッセイ。 

なくしたものとつながる生き方

なくしたものとつながる生き方

 

短い文章に込められた想いが心に静かに響きます。

 死は終わりではないということ、はじまりであり、つながりの源です。

 

人が自分の人生を懸命に生きている姿は、たしかな希望です。ただその人が生きていてくれるだけで、自分も生きていこうと思えるのです。

 

傷を抱きながらも、今、歩き続けること、生き続けていくことで、またそれがいつか、誰かの希望につながっていくかもしれません。 

 

人は誰か特別なすばらしい人によって救われるのではなく、自分と他者の間に生まれる関係や、つながりによって救われるのだと思います。 

大切な人を亡くした後は、悲しみから「立ち直る」でも「乗り越える」でもなく、ただ「ままならない」人生を受け入れて歩き続けていくほかありません。

だからこそ、人のつながりを感じることが大きな力になり支えになるのだとおもいます。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。