Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

今も昔も、読書は心をいやします♡

読書の秋ですね。日本は昔から識字率が高く、読書は庶民の娯楽でございました。書かずにはいられない作者たち、読まずにはいられない読者たち。

きょうは、江戸時代の書かずにはいられない作者たちを紹介します。 

 

平谷美樹さんの『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末』

あたしが書くのは推当物。絶対、面白いよ。江戸の本屋「草紙屋薬楽堂」に鉢野金魚と名乗る女が戯作の売り込みにきます。

小僧が幽霊を見た、秘密を握られて強請られている、寝所で怪奇が起こる。金魚は本を出してもらう交換条件と言って、薬楽堂に持ち込まれる事件を見事に解決してみせます。 

草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 (だいわ文庫 I 335-1)

草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 (だいわ文庫 I 335-1)

 

当時、侍が戯作を書くのは褒められたことではありませんでした。

金魚の戯作者仲間の侍は、身元を隠して書いていて、それがお父上にバレた後も、侍をやめることも戯作を書くのをやめることができません。

そのようすを本屋の隠居は、こう表現します。

世の中を見てみろ。浪人になっても侍を捨てられねえ奴はごまんといる。侍でいることが即ち自分。物書きにしろ、侍にしろ、厄介な物狂いの病みてぇなもんさ

戯作者にとって、書くことは自分自身の一部。アイデンティティなのです。

  

畠中恵さんの『けさくしゃ』

旗本の殿様、種彦は、実際の出来事を元にお話を作るのが得意。種彦の語りを聞いているうちに事実か否か混乱して、話に引き付けられていきます。

手代が女に金をだまし取られた、亡き娘の歌に込められた意味、評判の戯作の覆面作者の正体など。種彦が戯作だったらと推理して、事件の真相に迫っていきます。 

けさくしゃ (新潮文庫)

けさくしゃ (新潮文庫)

 

種彦にも「戯作を書き、世間を騒がせた」と上役から呼び出される日がやってきます。やはり「もう書かぬ」と言えない種彦の窮地を救うのは、種彦の戯作を愛する人たちの機転です。

 ああ、こうして皆、戯作にはまってゆく

わたしたちから、本を取り上げることはできません!

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。