Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

定年後を楽しく生きるには

あなたには、定年後、老後の計画がありますか。

普段、趣味に打ち込んだり、長期旅行に出かけたり。好き勝手に自由に過ごしたいと願っていても、いざ、あふれるほどの自由時間が手に入ると、やったー!と喜ぶよりも、時間を持て余してしまったりするものです。

きょうは、定年後の生活をテーマに紹介します。

 

原宏一さんの『極楽カンパニー』

会社人間だった須河内は、定年後の生活が退屈で仕方ありません。ある日、図書館で同じ不満を抱く桐峰と出会い意気投合して「会社ごっこ」を始めます。会社理念は、絵空事、馬鹿正直、度外視。すると、定年を過ぎた男たちが続々と集まってきて、大ブームを巻き起こします。 

極楽カンパニー (集英社文庫)

極楽カンパニー (集英社文庫)

 

元会社人間の須河内たちが会社時代を懐かしんで始めたのは、フェイク会社。本物の会社ではありません。

「ビジネスは人・モノ・金・情報で動いているってよく言われるけど、フェイク会社は人・モノ・金・情報のうちモノと金は仮想にして、人と情報だけで本物さながらに動いてるわけ」  

自分たちはまだまだやれると言ってはいるけれど、モノとお金のリスクは取れないと考えていることが分かります。

人は、何もできない赤子に生まれ、少しずつできることが増えて大人になって、そしてまた、赤子に戻るかのようにできることが減っていきます。

定年イコール無能力者ではないけれど、それでも若者や中年とも違います。

できる、できないの二択ではなく、できるとできないの幅の中で落ち着きどころを見つけることが必要です。

 

内館牧子さんの『終わった人』 

エリート人生を歩んできた田代は、会社内の派閥争いに敗れ、子会社に出向、転籍と、勝ち組から外れました。ついに起死回生を果たすことなく定年退職を迎えますが、社会から必要とされない「終わった人」になったことが受け入れられません。

ハローワークに足を運んだり、大学院を目指したり、女性との出会って恋を夢見たり、元エリートの男が生きがいと居場所を求めてあがくストーリー。 

終わった人 (講談社文庫)

終わった人 (講談社文庫)

 

恐らく 『終わった人』は、読者の世代によって共感具合が大きく異なります。高給エリートであっただけに、田代は生活費の心配とは無縁。年金問題など老後の生活に不安を抱える世代からすると、貯金が1500万円になると焦る姿は 贅沢な悩みにしか思えません。

けれど、定年後の途惑いは世代を超えて共通します。たとえ仕事一筋の人生ではなかったにせよ、現役時代は一日の大半を占めていた仕事がなくなったら、どうやって一日を過ごしたらいいのかと戸惑うのも当然です。

どんな仕事でも若い奴らが取ってかわる。俺は『生涯現役』ってあり得ないと思うし、それに向かって努力する気もまったくないね。あがくより、上手に枯れる方がずっとカッコいい

これは田代の親戚でイラストレーターのトシのセリフです。

誰のところにも変化はやってきます。年齢や能力の衰えはむろんのこと、社会から求められる役割も少しずつ変わっていきます。変化を受け入れて、新たな落ち着きどころを見つけることが必要です。

だって、過去がどんなに素晴らしかったとしても再現はできませんから。 

思い出と闘っても、勝てねぇんだよ 

 

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 ここまで読んでくださって、ありがとうございました。