Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

「いちばん」はひとつじゃない

一番になるのって嬉しいですよね。ますます頑張ろうって、やる気が出てきます。でも、一番にこだわり過ぎるのは 禁物ですよ。 

 

田牧大和さんの『あなたのためなら 藍千堂菓子噺』

江戸でも評判の上菓子屋「百瀬屋」に生まれた、晴太郎と幸次郎の兄弟といとこの糸。三人で共に店を盛り立てていくと思っていました。しかし、兄弟は、先代が亡くなって後を継いだ叔父から疎まれ、店を出て「藍千堂」を始めました。

「藍千堂」に対抗心を燃やす叔父は、娘の糸に縁談を持ち込みます。婿を取って跡継ぎを生むほかにも、「百瀬屋」を守るためにできることが 、すべきことがあるのではないか。跡取り娘の覚悟と恋の物語。

あなたのためなら 藍千堂菓子噺

百瀬屋の先行きを心配する糸に、婿候補の彦三郎はこんな言葉をかけます。

「藍千堂」さんの菓子と、「百瀬屋」の菓子は違います。

あちらは。味も見た目も華やかで、作り手の才気がはっきりと見える菓子ですね。色々な驚きもある。そういう菓子を、主はつくりたいのでしょう。目にした人が驚き、口にして顔を綻ばせるような菓子。

けれど「百瀬屋」の菓子は、驚きや喜び、想い出や願いとは無縁です。そこが「百瀬屋」のいいところだ。いつ、どんな時に食べても、同じ味。「あそこの菓子は、こういう味だ」と信じている客を裏切らない。安心できる菓子が、「百瀬屋」の売りです。

「藍千堂」さんと同じ土俵に上がる要なぞ、まったくないんですよ

誰かと自分を比べて、その誰かの得意なことが自分よりも優れていると思い悩むのはもったいないです。

せっかく他の人と比べるのなら、劣っている自分だけと一緒に優れている自分も見つけたい。何を自分の売りにするかは自分次第。「いちばん」はひとつではありませんから。

  

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