Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

子育てのコツは、人を喜ばせる楽しさを教えること。

あなたは、子供の頃よくほめられましたか。それとも、叱られることの方が多かったでしょうか。

ほめられれば嬉しくて、やる気につながると言いますが、叱られるうちが花という表現もあります。子育てで大事なことは何なのでしょう。

 

秋川滝美さんの『向日葵のある台所』

40代、シングルマザーの麻有子は、中学生の娘、葵と仲良く穏やかに暮らしています。そこへ姉から「母が倒れたから引き取って欲しい」と言われます。昔から母親と折り合いが悪く、極力関わらないようにしてきたのに、ふたたび一緒に暮らすなんて。子供の頃から上下関係が確立していて、麻有子は姉に逆えず、不本意ながら母との同居生活に突入します。そして、母が思いがけない目的をもって、麻有子の元に来たことが分かります。

母と娘の確執が溶ける兆しが描かれた希望のもてるストーリー。

向日葵のある台所

麻有子の母、正恵は、麻有子と葵と暮らし始めて、 自分の子育てが間違っていた、二人には正しい信頼関係があってうらやましいと言い出します。

正恵の子育ては、自分に似た長女には甘く、酒と女遊びで借金を繰り返す夫に似た次女の麻有子には厳しく叱ってばかりというもの。それを反面教師にした麻有子の子育てが異なったものになるのは当然。でも、何が違ったのでしょうか。

『葵ちゃんは全然家事を嫌がらないわよね。むしろ楽しそうなときまであるぐらい。どうやったら、あんなふうになるのかしら?』という正恵が口にした疑問が呼び水になって、それが明らかになります。

(麻有子は、娘と一緒に)家事をしている間はなるべく楽しい会話を心がけ、終われば必ず『ありがとう』や『助かったわ』という言葉を口にした。家事をするにあたって、葵には『これをやっておけば叱られない』ではなく、『これをやれば喜んでもらえる』と思ってほしかったのだ。

(中略)

誰かがなにかをするたびに『ありがとう』とか、『お疲れ様』とかいうことで、円満な人間関係を保つことができる。それは、これまでの人生を通じて麻有子が体得した信念のようなものだった。

そう、ほめたり叱ったりして、何か技術を身につけさせるよりも前に、子供に教えたいことがありました。それは、人との関わり方。 他の人の労を認めて感謝すること、誰かに喜ばせてもらえることを待つのではなく、自分が誰かを喜ばせる楽しさを身につけることができたら、家族とも他人とも良好な関係を築くことができます。

そして

たとえ親子であっても、心地よい関係はお互いの努力なしには作れない。時間だって必要だ。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。