Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

町を活性化させるのは「楽しい想い出」

あなたは生まれ育った町が好きですか。生まれ育った町で暮らしたいとおもいますか。

故郷をでた人の中には、いつか故郷に戻りたいと言う人と、決して戻りたくないという人がいます。その違いはどこからうまれるのでしょうか。 

 

柴田よしきさんの『ねこ町駅前商店街日々便り』

赤字続きのローカル鉄道の終着駅がある根古万知(ねこまち)は過疎が進み、駅前はシャッター街と化しています。そこに駅前商店街のラーメン店の娘、愛美が、離婚して心のリハビリのために戻ってきます。ひょんなことから、愛美は可愛い灰色の猫をもらうことになり、駅の売店に預けていたところ、「ねこ町の駅に猫の駅長誕生」と話題になって、人が集まってきます。これを町が活気を取り戻すきっかけに出来ないかと、町おこし大作戦が始まります! 

ねこ町駅前商店街日々便り

『ねこ町駅前商店街日々便り』の愛美は、離婚して傷心で故郷に戻ってきます。「その(狭い行動範囲)中だけでくらしても安心していられる、それが地元ですね」という愛美のセリフがありますが、つまり、地元は心を癒せる場所。愛着もなく、ただ住んでいるだけの土地は、この定義では地元とは呼べません。

愛美は、過疎が進む故郷について、こう言います。

「この町に、無理をしてまで都会にあるようなものをつくるのは間違っていると思います。そして若い人が町を出て行くのも.....無理して止めても仕方ないと。

でも.....いつか帰って来たい、と思う街にすることは出来るんじゃないかしら。(中略)

出て行く前にたくさん楽しい想い出が作れたら、帰りたいなと思う人も増えるんじゃないか、って」 

過疎地域というと、とかく住民が出ていくところばかりに焦点があたりがちですが、すべての人の要望に応えることは出来ないのだから、いつの時代も、進学だったり就職だったり、それぞれの事情の中で出ていくことを選択する人はいます。問題は「出ていく人数」に対して「入ってくる人数」が少ないから、過疎が進んでいきます。そこで暮らしたいとおもえないのが問題です。

そして都会の真似をしたところで、それは二番煎じにすぎないし、若者が外の世界に対して憧れを抱くのは当然のこと。

だから、愛美が取り組む町おこしのポイントは、楽しい想い出づくり。愛着をもてる町にすることが大事なのです。

先日、都道府県別の選挙の投票率が紹介されていて、その最下位が過去に聞いた地元愛の強さランキングの最下位と一致していることに気づきました。

その都道府県とは、埼玉県と千葉県。この2つの県の特徴は東京都の通勤圏であること。東京都内に通勤する前提で、住まいを構えた人は、おそらく遊びに行く先も都内。

地元に楽しい想い出がなければ、地元愛は生まれないし、選挙にも行かないのだろうなと、これは勝手な推測ですがさほど外れてないと思います。

まずは、たのしい想い出づくり、そこから始まります。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。