Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

成仏させてください

怪談の季節がやって来ました。あなたは幽霊に会ったことがありますか。

死者が成仏せずにさまよい出てくると怪談に付き物の幽霊になりますが、どうして成仏できなかったのでしょうか。あるいは、どうすれば成仏できるのでしょうか。

きょうは、怖くない幽霊がでてくる話を紹介します。 

 

堀川アサコさんの『幻想探偵』

中学生の海彦は、同級生ユカリの後をつけて「たそがれ探偵社」に迷い込みます。そこは悩める幽霊の成仏を助ける探偵社で「知られたからには協力してもらうわよ」と、記憶喪失のヤンキー幽霊、大島ちゃんの死の真相を解き明かす調査を任されてしまいます。 

幻想探偵社 (講談社文庫)

幻想探偵社 (講談社文庫)

 

幽霊の大島ちゃんは、生きてたときのことも、どうして死んだのかも覚えていません。たそがれ探偵社の責任者、青木さんは、大島ちゃんに今のままでは成仏できないと言います。

大島ちゃんは、まず自分の死の真相を知らなければならない、そのことで恨みが発生し、怨霊になる可能性もある。その恨みを克服して初めて、次の世に行けるのだ。

なるほど、幽霊の決まり文句はうらめしや~ですが、 記憶がなければ恨むことはなく、恨みを克服することはあり得ないのです。

 

西條奈加さんの『秋葉原先留交番ゆうれい付き』

オタク警官の権田が勤める秋葉原の交番に後輩の向谷警官がやってきます。向谷は女性問題が絶えないイケメンで、なんと足だけの幽霊、季穂を連れています。

季穂はオタクが苦手で秋葉原が嫌いなのだけれど、足だけの幽霊になってさまよっているときに出会ったのが向谷で、幽霊になった季穂の姿、もとい、季穂の足が見えるのは向谷だけで、季穂が死んだ理由を調べてくれるというのだからやむを得ません。

オタクの聖地・秋葉原を舞台に、デコボコ警官コンビと幽霊が繰り広げる楽しい!殺人ミステリです。 

秋葉原先留交番ゆうれい付き (角川文庫)

秋葉原先留交番ゆうれい付き (角川文庫)

 

こちらの幽霊、季穂は生前のことを覚えているものの、記憶があるところで途絶えていて、病気か事故か自殺か、あるいは殺されたのかも分かりません。そこで死の真相を知ることが課題となります。しかしながら、季穂は真相が分かった後でも、恨みを抱くことはなく成仏しません。

そういえば、あのとき誰かに呼ばれたような気がして、幽霊となって目を覚ましたのだと気づくので、心残りがある場合も成仏できないのかもしれません。このあたりは、次回作に持ち越しのようです。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。