Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

家族だからカッコつけない、家族だから気を遣う

「家族だからカッコつけない」「家族だから気を遣う」

あなたには、どちらの言葉の方がしっくりきますか。

 

小野寺史宜さんの『太郎とさくら』

のんびり屋の太郎としっかり者の姉さくらは異父きょうだい。東京で働く太郎が地元に残ったさくらの結婚披露宴に出席すると、そこへ招かれざる客、さくらの実父がやってきます。山っ気があって職を頻繁に替えては周囲に迷惑をかけた人物で、早々に追い出されます。太郎が追いかけて名刺を渡したことをきっかけに、太郎の眼にそれまで見えていなかったことが映り始めます。姉ちゃんが実父と連絡をとっていたこと、働いて学費を返しながら実父を援助していたこと。姉ちゃんは自分の代わりに地元に残ったこと。。。家族だから気を遣うし、家族だからカッコつけない。心温まる家族ストーリーです。

太郎とさくら

 

家族の結びつきって何だろうって考えさせられました。

太郎の異父きょうだいの姉さくらは、子供の頃から自立していて、自分で学費を賄おうするし、働き始めてからは食費を入れ、感謝も忘れません。家族に甘えるどころか、つながっていようと一生懸命でいじましい程です。

「太郎はきちんと血がつながってるからねぇ」とおばあちゃんが言ったという思い出が出てきますが、家族は血のつながりで結びついているのでしょうか。

いいえ、そんなはずはありません。そもそも、家族の最初の単位になる夫婦に血のつながりはないし、「骨肉の争い」という表現があるように、むしろ血がつながっている方が激しくいがみ合うことがあるようにも感じます。

この太郎の家では、争いを避けているのは、姉のさくらだけではありません。

昔から、僕らはお互いに道を譲ってきた。道を譲り合えば、衝突は起きない。譲り合うこともできないほど道が狭いなら、お互いの体がぶつからないよう、ゆっくり進めばいい。そうすれば、並んで歩くこともできる。

あなたは、これを他人行儀でよそよそしいと思いますか。私は、家族のつながりを保とうとする姿に結び付きの基盤があると感じます。

家族だから、血がつながっているからというだけでは、人は結びつきません。我慢して自分を殺し続けることもできません。

誰かひとりがではなく、家族を構成している皆が気遣い、お互いがぶつからないようにゆっくり進む、そんな優しさが家族をひとつに結び付けます。家族だからカッコつけなくてもいい、家族だから気遣い合うのです。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。