Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

「その日」までをいかに過ごすか

もし、あなたやあなたの家族が余命宣告を受けたら、人生の最後の日々をどうしますか。

死は誰にでも訪れるものと頭では分かっているけれど、いざ人生の終わりが明らかになるとうろたえてしまうものです。

きょうは、最後の日々の過ごし方をテーマに紹介します。

 

尾崎英子さんの『有村家のその日まで』

有村家の母親、仁子は、奔放で何事も自分のやりたいようにやって、家族を振り回してきました。思いつくままに湯水のようにお金を使ったり、誰にも相談せずに大金を人に貸したり。乳がんで余命宣告を受けた後も、病院の治療を拒んで、怪しげな健康食品や拝み屋に大枚をはたいています。

気弱な夫、照夫。頼りない長男の優と嫁の真弓。終末患者の在宅医療に携わる長女の美香子。親友を突然亡くしたばかりの次女の文子。死を迎える家族をどのように支えればいいのか、迷える家族の9か月を描きます。 

有村家のその日まで

有村家のその日まで

 

不治の病と診断されたとき、病院で治療を続けるのが良いのか、民間療法やスピリチュアルにすがるのか、悩ましい問題です。

看取りのプロである美香子にも、答えはでていません。 

その人らしく生きてきたように、その人らしい亡くなり方があるんだと思うんです。(中略)

私の場合、本人が嫌がるものを無理にさせるより、多少は短くなっても、残りの人生を母らしく生きた方がいいように思えてしまって、強く説得できないところがある。だけどそれも本当に正しいと言い切れる自信もありません。

自分らしい死の迎え方って何でしょうか。自分自身のことでも答えを見つけるのは難しいのに、ましてや自分以外の誰かの死に何が良いかなんて分かるわけありません。

 

重松清さんの『その日の前に』

家族や友だち、身近な人に死が忍び寄っていることが分かり「その日」を見つめながら最後の日々を過ごす人々を描くオムニバス短編集。 

その日のまえに (文春文庫)

その日のまえに (文春文庫)

 

 こちらに登場する看取りのプロ、看護師さんのセリフです。

終末医療にかかわって、いつも思うんです。『その日』を見つけて最後の日々を過ごすひとは、じつは幸せなのかもしれない、って。自分の生きてきた意味や、死んでいく意味について、ちゃんと考えることができますよね。あとにのこされるひとのほうも、そうじゃないですか?

でも、どんなに考えても答えは出ないんですけどね

真摯に向き合っているからこそ、迷いがつきません。答えが出なくても、考え続け、迷い続けているので十分なのだとおもいます。

  

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。