Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

生きている意味がなければ、自分でつくればいい

生きていると、何のために生きているのだろうかという疑問が湧いてくることがありますね。若くて、この先どう生きていこうかと考えているとき、そして中高年になって、これまでの生き方をふと振り返ったとき。

若いときの疑問は、毎日に追われているうちに忘れてしまいますが、中高年で抱いた疑問はなかなか去ってはくれません。

きょうは、迷える中高年の方々に読んで欲しい本を紹介します。  

 

石田衣良さんの『ブルータワー』

脳腫瘍で余命宣告された瀬野周司は、耐えがたい頭痛から逃れようと意識を飛ばすと、そこは200年後の未来。生物兵器を使った戦争があった後で、2キロの高さを誇る「塔」の中で快適に暮らす一握りの人がある一方で、大半の人は死亡率88%のウイルスが蔓延する地表での暮らしを強いられています。世界はウィルスの恐怖と極端な格差による不満で崩壊寸前にあります。

これは死期の迫った脳が作り出した幻想なのか。事実なら、そこになんらかの意味があるはず。周司は自分が未来に転移する理由を必死に考え、そして世界を救います!

ブルータワー (文春文庫)

現実の周司は、余命数ヶ月。脳腫瘍による痛みを抱えていて、仕事はできず、妻は不倫をしていて、もはや生きがいはありません。未来の世界に飛ばされた当初は、崩壊寸前の世界でも苦しみがないだけましと気楽に考えています。

けれど、いったん苦痛から逃れて余裕がでてくると考え始めます。 何のために飛ばされたのか。人間は、自分の存在意義を求めたがるものです。

意味がなければ、自分でつくればいいのだ。

日和見と呼ばれていた周司は、決断をせまられて態度を決めた結果、自分が関わっている、生きている実感を得て、迷いがなくなります。

どんな世界にいてもかまわない。与えられた瞬間にいきいきと存在し続けることが、なによりも重要なのだ。

若者の未来は未知数だけれど、中高年にもなるとそうは思えなくなってきます。頭はピカピカ働かないし、持病があったりして身体も思うようには動きません。 今から新しいことを始めると言ったら「その年になって」と笑われてしまうかも。

でも、何もできないわけではありません。いつだって、私たちの言動は何かに、誰かにつながっています。だから、できないのではなく、できることが限られているだけ。

人生が上手くいっていると人も、そうでもない人も、余生が長くありそうな人も、すぐにも終わりそうな人も、積極的に何かをしてみたらいいのです。

そこで感じる手応えが、きっと生きている意味なのです。

  

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

 

今週のお題「おとうさん」