Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

子供と大人をつなぐ架け橋は、誰が作るのか

子供と大人の違いって、何でしょうか。子供にしかできないこと、大人にしかできないこと、どこでそんな違いが生まれるのでしょうか。

 

小路幸也さんの『そこへ届くのは僕たちの声』

そこへ届くのは僕たちの声 (文春文庫)

中学生のかほりの耳には、時折どこからともなく、優しくて温かい声が届きます。迷子になった小学生の時、震災にあったときも励まし助けてくれました。これは空耳じゃなくて空から聞こえてくる声。かほりは温かい声を「そらこえ」さんと 呼びます。

昔からね、大人の眼に見えないものを見るのは、子供でしたでしょう?日本ばかりじゃなく世界中で、子供たちの眼は我々には捉えられないモノを見ていた。もちろん、我々だって見ていたはずなのに、それをいつしか忘れてしまうんですなぁ。

これは、子供たちが不思議な力を持っていることを知った元刑事さんのセリフ。

大人は皆、かつて子どもで、子供はやがて大人になります。私たちは、大人になるにしたがって、知識や経験を積み重ねて賢くなっているはずなのに、何かを失ってしまったのでしょうか。

謎を追いかけた新聞記者は、満天の星空を見上げていると、「あの星々の向こうに神々がいるとも思えた」と語ります。 

知識が増えたから人間はそういうもの(星座の物語)を失ったんじゃない。いろんなものが増えすぎて見えなくなってしまったんだろうって。

「人間は、目に見えないものを本当には理解できない動物なんだ」

私たちは知識や経験を積んで、世の中のいろんな謎が説明できることを知りました。そして、それになじんだ分だけ、説明できないこと(目に見えないもの)を認めるのが難しくなってしまいました。

それが大人になるってことなら、仕方がないのかもしれません。それは、子供と大人の間には埋められない深い溝があるということなのでしょうか。

『そこへ届くのは僕たちの声』の大人たちは、子供たちの不思議な力を知った後、それを理解してもらうためのデータ集めを進めます。そして、信じがたい大事件が起きて集めたデータが生きる日がやってきます。

「子供はいつでも驚くべき可能性と能力を秘めた存在だなってさ。いつか失ってしまうものでも、それは大人が守ってやらなくちゃならない。ただの普通の人間になってしまった大人が」

子供と大人の間には、たしかに 溝がありますけれど、それを埋めることはできます。そして、溝を埋める、立場の異なる人にも分かるように説明することは、子供には難しくて、大人ができることです。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。