Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

子供と死は隣り合わせ

子供、大人、老人。この中でいちばん死が身近なのは誰だとおもいますか。

私たちは、おぎゃあと生まれて成長して、やがて年をとって死んでいきます。赤ちゃんや子供は生命にあふれていて、死とは縁遠いように、年を重ねることが死に近づいていくような気がするけれど、案外そうでもないかもしれません。

きょうは、子供と死をテーマにご紹介します。

 

椰月美智子さんの『つながりの蔵』

小学5年生の夏、遼子は四葉ちゃんと仲良くなります。四葉ちゃんは、いつも笑顔でクラス全体を見回している不思議な女の子。幽霊屋敷と噂のある古くて大きなお屋敷に住んでいます。遼子と幼なじみの美音が四葉ちゃんの家に遊びに行くと、広い日本庭園風のお庭に小さな祠があって、年老いて茶色い塊になった92歳のひいおばあちゃんいて、そして古めかしい蔵で不思議な体験をします。

少女の繊細さがすがすがしくも懐かしくて、優しい気持ちになれる小説です。  

つながりの蔵

つながりの蔵

 

遼子には、一緒に暮らしているおばあちゃんがいますが、段々動けなくなって、転倒して入院したのを境にボケが一気に進んで、遼子のことも、息子であるお父さんの顔も分からなくなってしまいます。

遼子が書くポエムにこんな文が出てきます。

年がふえていくと からだも大きくなる

今年のわたしは 去年のわたしより 大きい

だけど 年をとったら 小さくなる

おばあちゃんは 去年よりも とても 小さくなってしまった

私たちは成長して大人になるにしたがって、身体が大きくなって、できることが増えていきます。老人になると、できたことができなくなって、身体も縮んでいるようです。

老人になることを子供に戻るということがありますが、子供→大人→老人と左から右に直線の上を進んでいるのではなくて、子供→大人→老人→子供という円周の上を進んでいるのかもしれません。子供は、大人よりもずっと死の近くにいます。

 

映画『スタンドバイミー(Stand By Me)』(ロブ・ライナー監督、リバー・フェニックスさん、ウィル・ウィートンさん主演) 

暑い夏の日、田舎町に住む少年4人は、行方不明の少年の死体が野ざらしになっていると聞いて、見に行くことにします。途中で猛犬に襲われたり、線路で列車にひかれそうになったり、沼でヒルにかまれるアクシデントがあったり、夜、野宿しながら、しんみりと語り合ったり、凝縮された時間を過ごします。 

80年代の公開から数十年を経た今も、心に響く名作映画です。

死体を見に行くことが少年たちの冒険の目的なのが衝撃的です。死体を怖がるどころか、見つけたら英雄になれると考えます。

死を特別視したり、忌み嫌ったりするのは、成長過程で身につける感覚であることが分かります。目をそらさない分だけ、子供の方が死に向き合えています。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。