Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

不運は、何の言い訳にもなりません

令和になって、新しい時代の始まりを期待されている方も多いとおもいます。

昔は、新しい天皇の即位に限らず、天災の後など気持ちを新たにしたいときに元号をかえたそうです。平成は、戦争はなかったけれど、不景気がずっと身近にあり、大きな災害が続きました。令和が新し時代の始まりとなり、平和で心穏やかに暮らせる方向に進むことを願いたいものです。

きょうは、時代の移り変わりが漂う明治初期を舞台にした小説をご紹介します。

 

橘沙羅さんの『横濱つんてんらいら』

明治15年の横濱、海産物問屋の娘すずは、好奇心旺盛で食いしん坊。珍しい異国料理を喜んで食べてみるし、外国人にも物おじしません。

幼なじみの箱入り娘、喜代の恋文を想い人に届けるのを引き受けたのをきっかけに、清国人の劉と知り合ったり、襲われたり、事件に巻き込まれていきます。

すずの仲良しには、外国人嫌いの車引きがいたり、奥手なアメリカ人がいたり、新しい時代の到来を感じさせてくれて楽しいストーリーです。 

横濱つんてんらいら

横濱つんてんらいら

 

すずは、清国人の劉に惹かれている様子を、友人の喜代から別の国の人とは分かり合えないと諫められて、こう思います。 

大事なのは、どこまで違いを認めて歩み寄れるかだ。

違うから諦めることではない。

新しい時代を望むなら、変わらなければなりません。いまを否定するのでも、違うものを拒否するのでもなく、両方を受け入れたところに、新しいものが生まれます。 

 

畠中恵さんの『若様組まいる』

明治20年、旧幕臣の若様の幼なじみ8人は、生活のために巡査となることを決めます。巡査教習所に集まった候補生には、官軍側の士族、徳川と共に静岡へ移った元幕臣に加え町人もいて、一触即発の状況で2か月の訓練生活が始まります。

折しもピストル強盗事件が世間を賑わかせていて、訓練中に生徒がピストルで撃たれる事件が起こります。なぜ狙われたのか。若様組は巡査になれるのでしょうか。 

若様組まいる (講談社文庫)

若様組まいる (講談社文庫)

 

 厳しい訓練生活の中で、他の人の行為を告げ口して成績に加点を得ようとする候補生が出てきます。裏切者と責められているところで、若様組の大将、長瀬はこんな声を掛けます。

世の中には、天に向かて、馬鹿野郎と叫びだしたくなるようなことが、たーくさん転がっている。嘘じゃない、ごまんとあって、俺も体験済みだ

しかし、しかししかし。

それを口実に、こすっ辛い事をしちゃ拙い。一升瓶の酒を、友から分けてもらえなくなるだけだ。

変化が訪れるとき、その変化で恩恵を受ける人もいれば、不利益を受ける人もいます。自分がどちら側にまわったとしても、胸をはっていられる行動をとりたいものです。

 

【関連記事】 

bookinlife.hatenablog.com

bookinlife.hatenablog.com

bookinlife.hatenablog.com

 

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。