Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

いま手元にある素晴らしいものを大事にしよう

あなたには、 誰かのことをうらやましいと思っていますか。 

無いものねだりは良くないと頭では分かっていても、気持ちを止めるのは簡単ではありませんね。

 

岡崎琢磨さんの『春待ち雑貨店ぷらんたん』

北川巴瑠は、恋人からプロポーズを受けて悩みます。彼にまだ打ち明けられていなかったけれど、巴瑠には染色体異常があって妊娠できません。このことを告げたら、過去の恋人のように別れることになるのではという不安が押し寄せてきます。

巴瑠が営むハンドメイド雑貨店「ぷらんたん」で、イヤリングの片方だけが欲しいという注文が入ったり、彼からもらったネックレスに刻まれた名前のアルファベットが欠けていたり、ちょっとした事件が起こります。哀しい秘密を抱える巴瑠は人の痛みに敏感で、悩めるお客たちに優しく手を差し伸べます。

日常ミステリを交えながら、巴瑠とお客たちが明るい未来に向かって踏み出していくストーリー。  

春待ち雑貨店 ぷらんたん

 

子供ができない巴瑠は、子供がいる女性をうらやましいと感じますが、その一方で、居心地のいい雑貨店を営む巴瑠のことをうらやむ人がいたりします。巴瑠が抱える悩みを知らないからとも言えますが、私たちは、他の人にあって自分にないものばかりが気になって、自分にあってその人にないものには注意を払わないものです。

「ぷらんたん」の常連客の大学生、未久ちゃんは、自分は地味でさえないと思い込んでいるのですが、巴瑠とこんな会話を交わす場面がでてきます。

未久「どうしてこうも、思いどおりにいかないんだろ。

   自分の人生、つくづく嫌になっちゃいます」

巴瑠「誰かと代われるものなら、代わりたい?

   代わってみる?私と」 

巴瑠「いま、代わるのは嫌だなって思ったでしょう」

他の人と代わるのが嫌だと思うのは、自分には素晴らしいものがあることを知っているからです。優れているとか劣っているとかではなくて、純粋に自分にとって価値があるということ。

他の人と代わることで失いたくないものは何ですか。 

たぶん、これから先も他の人がうらやましくなることはあります。うらやむ気持ち自体は、自然な感情で問題ありません。けれど、そのために自分が素晴らしいものを既に持っていることを忘れたら、もったいないです。 

手に入らないものに想いを注ぐ前に、手元にあるものを大事にしようと思います。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。