Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

暮らしやすい町は、自分たちの手でつくっていく

あなたが、今お住まいの町で暮らしているのはなぜですか。

生まれ育った町だったり、仕事の都合だったり、暮らし始める理由はひとそれぞれですが、誰もが住んでいる町に愛着を感じられたら素敵なことだとおもいます。

きょうは、ニュータウンをテーマにご紹介します。

 

垣谷美雨さんの『ニュータウンは黄昏れて』

パート主婦の頼子は、分譲団地の住宅ローンの重圧にため息をつく毎日を送っています。都心から離れていて通勤・通学に時間がかかるし、エレベーターがなくて荷物がある時の上り下りがつらい。 バブル崩壊後の値下がりで、手放しても住宅ローンが残ってしまう状況。後悔ばかりが頭を埋め尽くしています。

そんな折、老朽化した団地の建て替え計画が持ち上がり、27歳にしてフリーターの娘、琴里が資産家の青年と婚約します。これでお金の心配から逃れられると期待が膨らみますが、上手くいくのでしょうか。 

ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)

ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)

 

分譲団地の理事になった頼子は、理事それぞれが自分の事情に固執して意見がまとまらないという事態に直面します。意見がまとまらなければ何も改善しないけれど、妥協もできません。住まいは、私たちの暮らしの土台だからです。

 

中澤日菜子さんの『ニュータウンクロニクル』

若葉ニュータウン。大規模な団地が建設され、住民運動が盛んだった1971年から、活気づき発展したバブル期、入居者の子供世代が都会に出ていって縮小した時期を経て、再生の道をたどるまで60年の変遷がオムニバス短編で描かれます。 

ニュータウンクロニクル

ニュータウンクロニクル

 

ニュータウンクロニクル』 は、町の誕生を描く最初の話と町の再生を描く最後の話に住民運動が登場するのが印象深いです。

暮らしやすい町づくりは、行政が担う役割ですし、暮らしやすい町を見つけて移り住んでいく、それは賢い生き方なのかもしれません。

けれど、その町で暮らしている住民自身が、自分たちにできることはないか、必要とされていることは何かを考えて行動することで、愛着ある暮らしを手に入れ、生き続ける町のエネルギーを生み出すことにつながります。

そこに住む人がいる限り、町に終わりなんてない。

消滅と再生を繰り返しながら町は生き続ける。

  

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。