あなたは、悩みごとがあるときに誰に相談しますか。良く知っている信頼できる人に相談したいというときもあれば、自分のことを知らない人に、こっそり相談したくなることもあります。真剣な悩みは、相談相手も良く選ばないといけませんね。
東野圭吾さんの『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
3人のコソ泥が古い空き店舗「ナミヤ雑貨店」に身を潜めると、相談に乗って欲しいという手紙が店のシャッターのポストに届きます。店に残されていた雑誌の記事によると、かつて、ナミヤ雑貨店は、どんな悩みも解決してくれると評判だったことが分かります。真剣に悩んでいる人をほっとけないと返事を書くと、すぐに次の手紙が届きます。ここでは何かすごいことが起きている、3人はそれを見届けることを決めます。
時空を超えて手紙が行きかい、奇蹟を起こす感動のストーリーです。
ナミヤ雑貨店で悩み相談を受けていた店主のおじいさんは、相談者の心理を想像しながら、いつも真剣に返事を書いています。うちの近くにも、こんなお店があったらいいのにと思ってしまいます。
うらやましい環境ですが、「ナミヤさんは私を試しておられたのですね」と言って、回答とは真逆の行動をとる相談者もいます。ナミヤのおじいさんはこんな風に言います。
長年悩みの相談を読んでいるうちに分かったことがある。
多くの場合、相談者は答えを決めている。
相談するのは、それが正しいってことを確認したいからだ。
なるほど、そうかもしれないと思い当たることがありますよね。
悩んでいるのは、どうしたら良いのかが分からないのではなくて、自分が選びたい答えが分からなかったり、自分が選びたい答えに自信が持てないからです。
悩みごとの相談相手が見つからないときは、「どうしたらいいのだろう」ではなくて、「どんな言葉をかけて欲しいのか」と考えて、自分宛てに手紙を書くと良いかもしれません。
文章に書き起こすことで、頭の中だけで考えているよりも、冷静に悩みごとをとらえて、自分が選びたい答えが明確になりますし、アドバイスに説得力があるかどうかは自分が良く分かっていますからね。
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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。