Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

母子の絆は、真か妄想か。

あなたにとって、お母さんはどんな存在ですか。最大の理解者で最強の味方でしょうか。それとも、あなたの足を引っ張る煙たい存在ですか。

  

大山淳子さんの『猫弁と魔女裁判

猫弁こと百瀬太郎は、国際スパイの指定弁護人に選任されます。日本初のスパイ裁判で世間の注目を浴びる中、百瀬は事務所の仕事には代理をたて一心不乱に裁判の準備を進めます。名声には関心がない百瀬らしからぬ行動に周囲は戸惑うばかり。百瀬の真の狙いは何なのでしょう。 

猫弁先生シリーズの最終巻。前作の『猫弁と少女探偵』を先に読むがお勧め。

猫弁と魔女裁判 (講談社文庫)

 

 

猫弁先生シリーズは生き別れになった母親を慕う息子の物語でもあります。

世の中には、母子の絆を描く感動的な話もあれば、痛ましく悲しい話もあります。母子の特別な絆って、本当にあるのでしょうか。

私は特別な絆は、初めからそこにあるのではなく育まれるものだと思います。

新しい出会いに「縁」を感じて、素敵な何かにつながることを期待したりしますね。母子関係は、子供にとってこの世で初めて得た縁です。そこに意味を見つけたくなるのは自然なことです。

百瀬は7歳の時に母親の友人が営む施設に預けられて以来、母親とは音信不通ですが、母親の不在は百瀬の人生に大きな影を落としています。施設の理事長に言われた「弁護士になれば、いつかお母さんを助けられるよ」という言葉を支えに生きています。

母子が共に互いに「特別」と捉えるなら、感動につながっていき、共に意味を見出さないなら物語は生まれず、いずれか一方だけが「特別」ととらえたなら、悲劇につながっていくのだと思います。

 

 

マイペースで心優しい青年弁護士の猫弁シリーズを最初から楽しみたい方には、全集もあります! 

猫弁全集

猫弁全集

 

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。