Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

子供の存在が人生を変えます

あなたは、子供好きですか。子供が欲しいですか。

子供が欲しくても授からない人がいる一方で、望んでいない人のところにやってきたり、コウノトリさんは気まぐれです。

きょうは、子供をテーマに紹介します。

 

石田衣良さんの『マタニティ・グレイ』

雑誌編集者の千花子はフリーのカメラマンの夫と二人暮らし。子供嫌いで、死んだら家族がなくなるといいと考えていたのに、妊娠が発覚します。夫に勧められて生む決意をしたものの、勤める出版社に産休育休制度はなく、夫の稼ぎは当てになりません。

折しも、担当する女性誌で妊娠出産特集が組まれ、千花子は実体験レポートを書くことになります。出産にどんな費用がかかるか、産院はどこがいいのか、妊娠中にセックスしてもいいのか、切迫早産や流産の悲しみ。働く女性の妊娠出産事情を描いた小説です。 

マタニティ・グレイ (角川文庫)

マタニティ・グレイ (角川文庫)

 

千花子は、妊娠を通じて夫への想いを再認識したり、両親と仲直りしたり、エンディングに向かって幸福感に包まれていきますが、その一方で、ずっと子供付きとなる不自由さを考えて、すこしぞっとしたりもします。

妊娠って、いいこともあるけれど、悪いこともあるね

周囲に支えてくれる人がいる千花子は恵まれた環境にありますが、それでも好きな仕事を休まなければならなかったり、当然ながら生活スタイルが大きく変わります。

わたしたちには別なしあわせのカタチがあったのかもしれない

子供を持つことで得られるものもあり、失うものもあります。どちらが正解ということはありませんが、選ぶことで人生が変わります。

 

辻村深月さんの『朝が来る』

「子供を返して、嫌ならお金を用意して」夫と幼稚園児の息子と暮らす佐都子の元に不穏な電話がかかってきます。息子は長い不妊治療の後に得た養子でしたが、手放すわけにはいきません。電話の主は、本当に息子の産みの母なのか。真の目的は何なのでしょうか。

子供を持てない夫婦と中学生で妊娠し子供を手放した女性、両者の苦悩と葛藤が描かれた作品です。 

朝が来る (文春文庫)

朝が来る (文春文庫)

 

佐都子は、不妊治療に取り組んでいた頃を「長い長い、そして出口があるのかわからないトンネル」の中にいて「暗い、夜の底を歩いているような感覚」だったと思い起しています。

子供が欲しいとか母親になりたいという強い意志はなくとも、不妊治療を始めたことをきっかけに暗い世界に足を踏み入れてしまったのです。

望まぬ妊娠をした産みの親のひかりは、養子縁組で子供を手放し元の人生に戻るはずでしたが、学校にはなじめず家からはじき出され、放浪生活に入ります。

妊娠しても、しなくとも、子供の存在が人生を変えるのです。

  

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。