Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

魔法が訪れる場所、そこは。。。

あなたは、魔法があると信じますか。

もしも、ひとつだけ願いをかなえてもらえるとしたら、何を願いますか。

 

村山早紀さんの『百貨の魔法』

風早の街にある星野百貨店には、正面玄関の天上のステンドグラス中央では白い子猫が輝いていて、そこから抜け出した子猫に会えたなら、願い事をひとつ叶えてくれるという「魔法を使う猫」伝説があります。

時代の変化と共に、星野百貨店の経営を心配する声が聞こえてきた頃、初のコンシェルジュ、結子がやって来ます。彼女は、いつも笑顔でフレンドリーだけれど、謎めいた部分が多くて、まるで伝説の「魔法を使う猫」。結子は何者なのでしょうか。

エレベーターガールのいさな、テナントの靴屋の咲子、宝飾フロア責任者の健吾、資料室の一花、コスメ売場のみほ、百貨店を愛し支える人たちの目を通して、オムニバスでつづられる優しい魔法のお話。

百貨の魔法

 

星野百貨店の創業者の幼なじみで大株主のまり子は、結子にコンシェルジュとなるように勧めながら、こんな言葉を贈ります。

人間はね、夢を見たい生き物なの。辛い日々にあっても、欠片でもいい、明日を信じるための要素が ——奇跡のかけらのようなものがあれば、未来を信じて生きていけるのよ

この言葉に、老舗百貨店が果たしてきた「いまよりも明るく幸せな明日」の象徴という役割を感じさせられます。

近頃の百貨店は、かつてほどキラキラしなくなり、閉店の危機を迎えるお店もあります。私たちは、もう、たくさんの品物がそろっているだけでは驚きません。

けれど、今でも百貨店は、特別な場所になることができます。

 

品物は大切に選ばれ買われ、贈られることで、いつか誰かの思いでになるんだ。物のかたちをした記憶になる。いつかその品物を買い、贈った誰かがいなくなってしまっても、物は長く、宇宙に残る。想いの結晶のように。

それは見えない魔法のようなものかもしれない。お客様自身も気づかない、ささやかな魔法。

 

私たちが買い物をただ、物を手に入れる行為とせずに、綺麗に飾り付けられた品物を眺めて、それらが使われる様子を想像したり、大切な人が喜んでくれることを想像しながら、大切に品物を選ぶことを楽しんだなら、心がうきうきしてきて、百貨店は、またキラキラ輝きだします。

そして、そこでは、きっと優しい魔法がはたらくに違いありません。

  

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。