Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

料理は、言葉にできない想いを運びます

あなたの思い出の味は、何ですか。

それは、あなたを懐かしい過去の記憶に運んでくれるのでしょうか。

 

柏井壽さんの『鴨川食堂おかわり』

京都にある鴨川食堂は、思い出の味を探してくれる探偵事務所。

学生時代、父親が持たせてくれた弁当は、作るのが面倒で毎日同じ海苔弁当だったのか。仲違いをしている父親が息子に食べさせたハンバーグのレシピが知りたい。子供の頃に死に別れた母親が作ってくれたピンク色の焼飯を探して欲しい。学生時代に通った屋台の中華そばを食べたい。若い頃、仕事が上手くいったご褒美にご馳走してもらった天丼を郷里の親に食べさせたい。派手な宣伝はしていないのに、記憶の味を再現して欲しいというお客さんが訪ねてきます。

元警察官で料理人の鴨川流と娘のこいしの掛け合いも楽しい、食の思い出がつまった短編集です。

鴨川食堂おかわり (小学館文庫)

世の中には、料理自慢のお店がたくさんあるというのに、はるばる鴨川食堂を訪ねてくるお客さんが、もう一度、食べたい、探して欲しいという料理は、庶民的なものばかり。それは、なぜなのでしょうか。

オヤジがどんな海苔弁を毎日作ってたか。それを確かめたら、あの頃どういう気持ちやったかが、分かるんやないかと思うんです。
(第一話 海苔弁)

 

あのときのクリスマスケーキを食べて、けじめにしたいんですわ
(第三話 クリスマスケーキ)

 

本当のわたしをちゃんと知ってもらうには、あの焼飯を食べてもらうのが一番だと思う
(第四話 焼飯)

食べ物の思い出は、おいしかった、おいしくなかった 、甘かった、辛かったなどの味覚に関するものだけでなく、それを誰とどこで食べたのか、その時の気持ちといったことも含まれています。

「もう一度、食べたい」という言葉は、あの時の自分の気持ちを思い出したい、あの時作ってくれた人の気持ちを受け止めたいと言い替えて間違いありません。

私たちは、食べたもので出来ています。だから、何を食べるかが大事。料理は、言葉にできない想いを運びます。だから、心を込めてつくり、しっかり味わうことが大事なのだとおもいます。 

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。