Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

文字を磨いて、自分を輝かせよう

あなたは、お習字をならったことがありますか。

昔は、自分が書いた文字を誰かに見せるときに、汚い字では恥ずかしくて、お習字に励んだものですが、近頃は、文字を書くことがめっきり減りました。手紙がメールに代わり、書類はPCで作成するようになり、ノートやメモをPCやスマホに取る方も増えていますね。

人に見せることがないなら、もう、お習字は必要ないのでしょうか。

きょうは、筆跡をテーマに紹介します。 

 

宮部みゆきさんの『桜ほうさら』

江戸深川の富勘長屋に越してきた笙之介は、写本で暮しを立てる浪人という仮の姿の陰で、隠密の捜査をしています。笙之介の父は、賄賂を受け取った疑いをかけられ自害に追い込まれました。父は潔白を主張する一方で、証拠とされた文は、書いた記憶はないが自分の筆跡と認め、混乱していました。実直な父が不正に加担するとは考えられず、ならば、何者かが偽造したのか。本人が見紛うほどに筆跡を似せられるのか。誰がなぜ父を陥れたのか。

心優しい富勘長屋の人たちと交流したり、恋心を抱いたりしながら、笙之介は事件の真相に迫っていきます。   

桜ほうさら(上) (PHP文芸文庫)

桜ほうさら(上) (PHP文芸文庫)

 
桜ほうさら(下) (PHP文芸文庫)

桜ほうさら(下) (PHP文芸文庫)

 

    

山下貴光さんの『筆跡はお見とおし』

大学生になった真子は、家賃を半額にするという言葉につられて、大家さんの孫、英介の探偵事務所でアルバイトを始めます。英介には、筆跡診断の知識があって、筆跡から犯人を導き出します。

町中に落書きをしているのは誰か。自殺した少年が残した文字に込められた意味は何か。英介の母校が調査対象になったことから、英介自身が抱える過去の謎も明らかになっていきます。 

筆跡はお見とおし

筆跡はお見とおし

 

 

筆跡鑑定でいう文字のバランス、ハネ加減などなど、細かい分析はさておき、素敵だなと感じる人の文字は好感が持てることが多いし、逆もまた真なり。

自分自身の文字を見ても、慌てているとき、イライラしているときに書いた文字は、乱雑で落ち着きがありません。

『桜ほうさら』の笙之介は、こんな風に説明します。 

文は人なり、と言います。私はその「文」は、文章のことばかりをさしているのではないと思うのです。その人が綴る文字にも、人柄や心模様が表れる。文字も人なり、です

文字も人なり。文字に書いた人の人となりや心の在り様が表れるのなら、逆に文字を整えることで成りたい自分に近づくことも出来ます。

文字を書かなくなった現代、人に見せるためではなく、自分自身を輝かせるために文字を磨く、お習字をしてみませんか。 

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。