Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

復讐は生きがいになるのか

あなたの生きがいは何ですか。

サスペンスものでは、ただただ復讐のために生きるという設定がありますが、復讐は生きがいやライフワークになるのでしょうか。

きょうは、 復讐をテーマに紹介します。

 

大山淳子さんの『赤い靴』

7歳の誕生日の夜、軽井沢の別荘で、葵は母親が惨殺されるのを目撃します。山に逃げ込んだところを老人に助けられ、葵は復讐に必要な力をつけるまで自分を育てて欲しいと頼み込みます。10年が経過し、葵が山を下りる時を迎えます。母親を殺したのは誰なのか。葵は復讐を果たせるのか。葵を助けた老人は、何者なのでしょうか。 

赤い靴

赤い靴

 

 映画『コロンビアーナ(Colombiana)』(リュック・ベッソン製作・脚本、オリビエ・メガトン監督、ゾーイ・サルダナさん主演) 

コロンビアで暮らす少女カトレアは、 マフィアに両親を目の前で殺されます。アメリカにいるギャングの叔父の元に身を寄せ、殺し屋になると宣言します。

大人になったカトレアは、叔父が見つけてきた殺し屋の仕事をこなす一方で、復讐を進めます。マフィアをおびき出すために、現場にカトレアの花を残したことが手掛かりになって、FBIからも追われる身になります。カトレアの復讐の行方はいかに。FBIに捕まってしまうのでしょうか。 

コロンビアーナ [DVD]

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『赤い靴』は、葵が大学の精神科に入院しているところから始まります。『コロンビアーナ』のカトレアは、復讐を進める中で多大な犠牲を払います。

復讐の他、生きる希望がなかったと、葵やカトレアは言うかもしれませんが、復讐することでまた傷つき、心を病むのであったら、問題を先送りしているだけ。復讐は心の傷を癒すどころか、傷を深くするばかりです。

葵を担当する 精神科医のこんなセリフがあります。

ぼくは近くにあったノートを手に取り、一枚を破った。その紙を手でくしゃりと丸めて、広げた。そしてテーブルの上に置き、てのひらで紙の皴を伸ばした。紙は広がったが、皴は取れない。

「彼女はこの紙と同じ状態だと僕は思うのです」(中略)

「この紙には皴がありますけど紙として機能します。彼女の心は元には戻りませんが、生きてゆくことはできるのだはないでしょうか」 

私たちは、生きていく中で度々傷つきます。傷つきながら生きています。傷つけられたことが悔しくて、やり返したくなることもあるけれど、やり返したいという復讐の炎があるからこそ、立ち上がれるように感じることもあるけれど、それは偽りの近道。

復讐は生きがいやライフワークには、ふさわしくありません。もう少し気持ちが落ち着くのを待って、傷と共に生きていく道を選ぶことで癒されていきます。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。