Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

ブサイクも、個性のうちですか?

あなたは、ご自分の顔を気に入っていますか。今よりもずっと美人、美男子にしてあげると言われたら、喜んで!と飛びつきますか。

きょうは、顔を変える整形をテーマに紹介します。

 

佐々木敏さんの『龍の仮面(ペルソナ)』

アンナは、自分の顔にコンプレックスがあってプチ整形を受けたところ、手術中の事故で顔を壊されてしまいます。絶望の淵にいるアンナに、CIAが極秘エージェントになるなら、国家機密の最先端技術で絶世の美女にしようと持ち掛けます。

アンナは、この醜い顔のままでは恋愛や結婚は無論、外出するのさえ辛すぎると、美貌のエージェント、エリカとなってターゲットを誘惑する任務を引き受けます。

はたして、エリカは任務を遂行できるのか。美女になって満足できるのでしょうか。

CIAのターゲットは、この本の出版当時は途上国であった中国。今とはかなり政情が異なりますが、こんな未来予想図もあったかと感慨深く読めますよ。 

龍の仮面(ペルソナ)

龍の仮面(ペルソナ)

 

美貌を手に入れたエリカは、異性からの注目を浴びるようになりますが、内面は手術前と変わりません。チヤホヤされるようになったことで、モテなかった頃の卑屈な思いをよみがえらせ、美人だから好かれたのではないか、元の顔だったら好かれなかったろうという考えを捨てることができません。

不美人コンプレックスは、不美人でも価値があると認められることでしか癒されません。美人側に移ることでは、かえって強化されてしまうのです。 

 

映画『フェイス/オフ(Face/Off)』(ジョン・ウー監督、ジョン・トラボルタさん、ニコラス・ケイジさん主演)

FBI捜査官のアーチャーは、凶悪犯トロイに息子を殺され、執念で追い詰め逮捕します。トロイが時限爆弾を仕掛けていたことが分かりますが、逮捕劇の中でトロイは昏睡状態に陥っています。やむを得ず、アーチャーはトロイの顔を移植して成りすまし、刑務所にいるトロイの弟から聞き出します。やがて、トロイの意識が戻り顛末を知ると、医師を脅して自分にアーチャーの顔を移植させます。FBI捜査官と凶悪犯の顔が入れ替わり、事態は混迷を極めていきます。アーチャーは、憎き男として生きていかなければならないのでしょうか。

ジョン・ウー監督の出世作で、2大スターの共演で話題になったアクション映画です。 

フェイス/オフ 特別版 [DVD]

フェイス/オフ 特別版 [DVD]

 

凶悪犯トロイの顔になったアーチャーは、自分を失う恐怖を味わいます。トロイの顔でアーチャーだと名乗っても、信じてもらえません。そもそも、顔を変えてトロイに成りすませられることは、すなわち顔を失えばアーチャーではなくなることを意味します。

人の価値は、顔かたちでは計れないことは間違いありません。けれど、いったん、こんな人と認識された頭の中の情報には、その人の顔ラベルがつけられます。

美人、不美人に関わらず、生まれ落ちた時に得た顔で生きることで、その顔は自分の一部、アイデンティティになります。 

 

【関連記事】 

bookinlife.hatenablog.com

bookinlife.hatenablog.com

 

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。