Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

迷惑をかけてかけられて、人との絆が出来ていきます

あなたは、困ったときに、ご近所さんに相談できますか。

最近のご近所付き合いというと、挨拶をするくらいで、お互いの生活や事情に踏み込まないのが当たり前になっています。その方が気楽な面もあるけれど、どんどん浅い付き合いになって、ちょっとしたお願い事も言い出しにくいと感じます。

 

西條奈加さんの『いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記』

中学生の滝本望は、祖母のお蔦さんと神楽坂で二人暮らし。滝本家はご近所衆のたまり場で、望も友だちを招くこともあります。

ある晩、クラスメートの森彰人と後輩の金森有斗を家に送っていくと、直後に有斗が家を飛び出してきます「部屋が血だらけで!家ん中に、誰もいないんだ!」いったい何があって、有斗の家族はどこに行ってしまったのでしょうか。

元芸者でお節介なお蔦さんは、一人ぼっちになった有斗を引き取り、自ら推理を働かせて事件の真相に迫ります。

事件の経緯や背景に重い部分がありますが、人の優しさを感じられるストーリーです。

いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記)

 

お蔦さんは、育ち盛りの 有斗が身を寄せるのは迷惑だという意見が出たときに、有斗にこう声を掛けます。

迷惑をかけてかけられて、人ってのはそれがあたりまえなんだ

(人に迷惑をかけてはいけないというのは)人を傷つけたり、嫌な思いをさせたり、そういう行為はするなって戒めだよ。

助けたり助けられたり、人間はお互いをそうやって生きていく。迷惑だからと関わるのをやめてしまえば、人と人の繋がりも成り立たない。

困って途方に暮れている人に掛けるお手本のような、優しさにあふれた言葉です。

とはいえ「人に迷惑をかけてはいけない」と刷り込まれているから、やっぱり恐縮してしまって、助けに手を伸ばせなかったりします。そして、泥沼にはまっていきます。

だからまずは、人から迷惑をかけられることに慣れるのがいいと思います。たくさんの迷惑を引き受けた後なら、きっと自分が助けが必要になった時に、人に迷惑をかけるためらいが小さくなります。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。