Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

勝負するのハートだ!

私たちは、自分が正しいと信じることをやっていくしかありません。

でもそのために、信じることが異なる人と対立しなくてもいいんです。

 

星野伸一さんの『となりの革命農家』

人口800人余りの集落、大沼で生まれ育った小原和也は、閉鎖的な村社会で衰退産業の農業を営むふるさとに苦い思いを抱えています。和也は、若き未亡人の木村春菜が地元の有力者のせがれに絡まれているところを助けたのをきっかけに、一緒に有機農業に取り組むことになります。

キャリアウーマン上田理保子は、社内権力抗争のとばっちりを受けて、大沼にある農業生産法人アグリコ・ジャパンに左遷されます。理保子は、手っ取り早く実績を上げて、東京の本社に戻ろうと、慣行農法の近代化に取り組みます。

地元民vs新規参入者、地方有力農家vs零細農家。それぞれの挑戦の前に壁が立ちはだかりますが、有機農法にこだわる和也や春菜と、有機農法は非効率と考える理保子の間には溝があり、手を結ぶことができません。どうすれば大沼の農業を活性化できるのでしょうか。

日本の農業の未来を考えさせてくれる小説です。

となりの革命農家

 

慣行農法(=人間が野菜を支配する農法)と有機農法(=野菜が生育するのを人間が手助けする農法)を比較して、人間が支配するのは傲慢だとか、効率が全てではないという展開になるかと思いきや、こんなセリフが飛び出します。

有機農家だって、慣行農家だって同じだからねえ。うまいところはうまい、まずいところはまずい

ならば、何が問題なのか。

オーガニックレストランのオーナーシェフは、こう言います。

小手先の技術なんて、大して役には立たなんだよ。そんなモンは、ちょいと勉強すれば誰だって身に付く。一番大切なのは、ここ(ハート)だ

 

意見が分かれたとき、私たちは、ついつい自分の方が正しいと言ってもらいたくて、相手方の悪いところばかりに目を向けてしまいます。

でも、本当に大切なのは、良くしようと思う気持ち、ハートのはず。勝ち負けを争いたいわけではありません。間違っているのは、やり方ではなく、頑なな姿勢。

最初の思いを忘れずに、心を開いたなら、良くするために必要なことも見えてきます。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

今週のお題「読書の秋」