Book In Life 迷子の本棚

テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています

夫婦のすれ違い 先送りはほどほどに

あなたは、思っていることをためらいなく伝えられますか。

身近な人だから、言わなくても分かっているだろうとか、しょっちゅう顔を合わせるのだから今日でなくてもいいだろうなんて、言い訳をしているうちに、伝える機会がなくなってしまうことがあります。

きょうは、亡き妻の素顔をテーマに紹介します。

 

小野寺史宜さんの『近いはずの人』

33歳のサラリーマン、北野俊英は、3か月前に妻の絵美が交通事故でなくなって以来、亡き妻の携帯電話のダイヤルロックの解除に取り組んでいます。

絵美は、友人と温泉旅行に行くと言って出掛けましたが、事故当時はひとりでタクシーに乗っていました。同行者が誰だったのかは分からずしまい。

ダイヤルロックを解除する暗証番号は、0000から9999までのいずれか。順番に試していけば、いずれ解除できます。俊英は、四ケタの番号を順に打ち込みながら、絵美との出会い、別れ、そして再会後の結婚、一緒に過ごした日を思い起こします。携帯電話の中に意義な情報があるとは思っていないけれど、止めることができません。

やがて、ロックが解除されたとき、俊英は何を見つけるのでしょうか。 

近いはずの人

近いはずの人

 

 

映画『ナイロビの蜂(The Constant Gardener)』 (フェルナンド・メイレレス監督、レイフ・ファインズレイチェル・ワイズ主演)

イギリス外交官のジャスティンは、スラムの救援活動に出掛けた愛妻テッサが殺害されたことを知ります。二人は愛し合って結婚し、共に赴任地のナイロビに来たのでしたが、ジャスティンは自分の世界に引きこもり、すれ違うようになっていました。

ジャスティンは、突然の妻の死に衝撃を受け、真相の調査を始めます。彼女は何をしていたのか。自分を愛していたのか。調査が進むにつれ、背後にある製薬会社の陰謀が見えてきます。  

ナイロビの蜂 [DVD]

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お気づきでしょうか。この2つの話の大筋は、まったく同じです。夫婦のすれ違いを先送りにしている中で、妻が死んでしまう。妻の死を経て、妻の想いに気づく。

同じ筋書きでありながら、一方は日本のサラリーマンで、一方はナイロビで陰謀が明らかになり、こんなにもスケールが違うのかと驚かされます。

逆に言うと、日本でも、海の向こうの遠くの国でも、サラリーマンでも、世界を股に掛ける外交官でも、同じようなことをしているのです。

今日できることは、今日のうちにやろう。明日でいいことは、明日にまわそう。 

どちらの言葉にも、真理があります。たまには先送りも仕方ないけれど、ほどほどにしないと。死に別れでなくとも、愛想をつかれてしまったり。取り返しがつかなくなってから、きちんと向かい合っていれば良かったと後悔することになります。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。