Book In Life 迷子の本棚

テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています

作品から飛び出した!

先日は、作品の中に飛び込むテーマ↓↓↓で、紹介したので、

きょうは、反対に、登場人物が作品から飛び出す話を紹介します。

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新井素子さんの『・・・・・絶句

 真夜中、SF作家志望の大学生、新井素子が、新人賞の応募原稿「絶句」を書いていると、「絶句」の登場人物が実体化して出てきます。彼らは、気がついたら家の前に立っていたというのです。一体全体、どうしてこうなったの?

理由不明ながら、素子は、想像の産物を実体化させる力を持ったのです。素子は、火事にあったり、誘拐されたり、狙われます。素子は、危機を脱せるでしょうか。

一方、現実の世界で生活を始めた「絶句」の登場人物たちは、人間世界の在り方に疑問を抱き、突拍子もない改革を思いつきます。いったい、どんな改革で、その行方はいかに。

……絶句(上)

……絶句(上)

 
…絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

…絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

 

もともと読書は、小説の世界とその小説を読んでいるこちら側の世界の二重構造で成り立っています。『・・・・・絶句』は、小説の中で小説を書いている三重構造で始まるのですが、物語進行中に「作中人物全員会議」なるものが開かれて、なんと四重構造(①小説「絶句」>②「絶句」作者の素子>③「絶句」の登場人物が実体化する話の作者>④私たち読者)になってしまいます。

私たちは、自分自身が考えて行動しているつもりでいるけれど、実は、誰かが想像した小説の登場人物だったりして。作品から登場人物が飛び出す、ちょっと不思議な話をきっかけに、普段当たり前に思っている、この世界の構造や宇宙生態系の上下関係まで、壮大なスケールに疑問や創造が広がって楽しい話です。

そういえば、少女漫画で、実は、この世界を観察している存在があった、私たちはモルモットだったという話がありました。こちらも、あり得ないことではありませんね?

 

映画『カイロ紫のバラ』(ウディ・アレン監督、ミア・ファロージェフ・ダニエルズ主演)

主婦のセシリアは、ウエイトレスをして生活費を稼いでいます。 夫は失業中で、ぶらぶら遊び歩いてはセシリアにお金をせびるので、頼りになりません。セシリアの唯一の楽しみは、映画館に行き、好きな映画を何度も繰り返し観ること。

ある日、セシリアが映画館で「カイロ紫のバラ」を観ていると、映画の中から主役のトムに話しかけられます。トムは、セシリアのことが気になっていたと言って、現実の世界に出てきます。セシリアは、理想の男性であるトムからのアプローチに舞い上がります。一方、トムが出ていった映画は、ストーリーが進まなくなり大騒ぎ。トム役の俳優が呼ばれて、さらに混乱を極めます。キュートで切ないラブロマンスです。 

私たちは、スターに憧れて、 素敵だなぁ、会いたいなぁ、知り合いたいなぁと思いますけれど、思うだけに留めて実現させない方がいいかもしれません。

昔の映画スターは、綺麗で素晴らしいものの象徴で、普通の人とは別世界の存在でした。トイレに行ったり、おならをすることが分かると、衝撃が走ったものです。

最近は、親しみやすさ路線に変わって、スターも普通の人と同じように悩んだり、怒ったりしますが、そんな素顔も演出されているのでしょうから。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。