Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

ペットは「ゆとり」の象徴かもしれません

少し前に、ネコをテーマに紹介する記事↓↓↓を書いたので、きょうはイヌをテーマに紹介します。

bookinlife.hatenablog.com

このテーマの本を探していて、イヌ小説は、ネコ小説に比べて、明らかに数が少ないことに気づきました。

小説家は、ネコ派が多いのでしょうか。イヌは、小説のネタになりにくいのでしょうか。あなたは、どうしてだと思いますか?  

 

大山淳子さんの『光二郎分解日記 西郷さんの犬』

元中学校教諭の二宮光二郎 75歳は、シルバー人材センター「ほのぼの」の登録員。趣味は分解修理で、古い家電製品や古道具を見つけると心が躍ります。「ほのぼの」庭仕事で訪問した家で、つい分解修理を始めてしまうことも。

ある日、上野公園の西郷さん銅像から犬が盗まれ、「ほのぼの」に探して欲しいという依頼が舞い込みます。 手掛かりは、破損して残されたシッポと高級ホテルの石鹸。誰が何のために、西郷さんの犬を盗んだのでしょうか。光二郎と孫のかけるが真相に迫ります。

元警察犬ジュンが登場したり、ドックショーに乗り込んだり、イヌづくしで楽しい話です。 

光二郎分解日記 西郷さんの犬

光二郎分解日記 西郷さんの犬

 

元警察犬ジュンの獣医さんの印象的な言葉の中に、先のネコ記事につけたタイトル「私たちは、どうしてペットを飼うのだろう?」の答えを見つけた気がします。

暇人はなくてはならないものよ。わたしはね、政府の一億総活躍社会という方針に危機感を覚えてる。一人残らず、みんながみんなフル回転。するとこの国から暇人がいなくなる。すなわち、余裕がない社会になる。

(中略)

人に手を貸そうとしたら、自分に少しは余裕がなくちゃ。時間の余裕が、心の余裕を生む。暇人は必要なの。有事の余力としてなくてはならない存在だと思う

考えてみると、「光二郎分解日記」の登場人物は、主人公の光二郎を始めとして、引退生活を送る老人や老犬、孫のかけるは浪人生で、稼いでいない人たちばかりです。そのため、西郷さんの犬盗難事件は、頭脳明晰キリリといった緊張感からは程遠い、成り行き的な展開で解決に向かいますが、そこが、ゆるい感じでいいのです。

ペットを飼うには、金銭的にも、時間的にも、心にも余裕が必要です。私たちは「余裕=ゆとり」があるからペットを飼い、ペットに「心のゆとり」をもたらすことを求めているのではないでしょうか。 

 

宮部みゆきさんの『心とろかすような マサの事件簿』

物語の語り手は、元警察犬のマサ。マサは、蓮見探偵事務所の用心犬で、蓮見所長の長女で調査員の加代ちゃんの パートナーを務めています。

第一話、加代ちゃんとマサは、妹の糸ちゃんが憎き諸岡進也とラブホテルから出てくるのを目撃します。ふたりはトラブルに巻き込まれたのだと主張しますが、真相はいかに。

第二話、加代ちゃんとマサは、朝の散歩中に死体を見つけます。加代ちゃんが通報しに離れると、マサの目の前で、死体は起き上がって逃げ出します。マサは、自分が見たことを加代ちゃんに伝えられません。。。

元警察犬マサの視点から描かれる蓮見探偵事務所が遭遇した5つの事件。人間の弱さを表すつらい事件ばかりですが、蓮見家とマサの人間味ある対応で、心が温まります。 

心とろかすような―マサの事件簿 (創元推理文庫)

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。