Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

死んだ後にだって、仲直りできる

あなたは、身近な親しい人が亡くなった後で、その人の意外な過去を知ってしまったという経験はありますか。

身近な人であればあるほど、そんなときは、裏切られたような気持になったり、気づかなかった自分の不甲斐なさに情けなくなったりするものです。  

きょうは、死者の過去をテーマに紹介します。

 

森絵都さんの『いつかパラソルの下で』

25歳フリーターの柏原野々は、筋金入りの堅物であった父親に反発し、20歳のときに家を出ています。父親が交通事故で亡くなってから、しばらくして、父親が浮気をしていたことを知ります。しかも、浮気は、自分の中で暗い血がざわめいた為だと言っていたと聞かされます。あの潔癖な父親が本当に浮気をしたのか。暗い血とは何なのか。野々は、父親の過去の調査を始めます。そこで、野々は、何を見つけるのでしょうか。  

いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)

いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)

 

 

意外な過去が現れる要因としては、その人を勝手なイメージにはめて、きちんと見ていなかった場合と、その人自身が隠していた場合が考えられます。

子供は、親がかつて子供だった事実には目を向けないもので、親は、カッコいい尊敬できる存在として、子供の記憶に残りたいと願うものです。

もし、その人自身が隠していたのなら、意外と感じることが、その人が見て欲しいと期待していた姿を、しっかり受け止めていたことを示すと思います。

 

宮本輝さんの『草花たちの静かな誓い』

小畑弦也は、叔母の菊枝の急死を知って、ロサンゼルスに向かいます。菊枝は、富豪のアメリカ人と結婚しロサンゼルスに住んでいたのですが、既に夫とは死に別れ、アメリカにはひとりも身寄りがいなかったのです。ロサンゼルスに着いた弦也は、菊枝が自分を遺産相続人に指定していたこと、菊枝が自分に行方不明の娘レイラの捜索を期待していたことを告げられます。弦也は、レイラは幼い時に病死したと聞かされていました。菊枝は、なぜ隠していたのか。調査を進めた弦也が見つけた驚愕の真相とはなんだったでしょうか。 

草花たちの静かな誓い

草花たちの静かな誓い

 

 

死者の過去を知ると、その人の本質に近づきます。その人が生きていた頃のことも、亡くなったことも、見方が変わります。

新たに知った過去を受け入れるか否かで、もう二度と言葉を交わすことがない相手とも、和解したり、仲違いしたりすることも、できてしまいます。

死は終わりではない、そう思います。

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。