Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

「助けて」という声が聞こえますか

あなたは、最近、新しい友だちをつくりましたか。

大人になると、なかなか新しい友だちができにくくなります。それは、出会いの機会が減ることもありますが、他人と関わることに臆病になるからです。

 

小路幸也さんの『空へ向かう花』

小学6年生のハルは死のうとして、ビルの屋上に登ります。それを見つけたカホは、自殺を思いとどまらせます。知り合いが死んじゃうと、ツラいんだよ。

ハルの自殺の原因は、女の子を事故で殺したこと。そして、その女の子は、カホの親友だったことが分かります。なんという巡り合わせ。それでも、カホは、ハルに死なないで、と繰り返し言います。人のつながりの温かさを感じられる話。

重い過去を背負って生きる哀しみが伝わってきて、つらくなるので、元気なときに読んでみてください。

空へ向かう花 (講談社文庫)

 

カホとハルを助けようと大人が立ち上がります。そのひとりであるイザさんは、自分が行動を起こしたことに驚いています。

あまり他人とは関わりたくない。いや違うな。関わりたくないのではなく、これ以上、誰かに迷惑を掛けたくないのだ。

誰かと関われば、親しくなればなるほどその人の人生に何かを与えることになる。それは、あまりしたくない。

ひっそりと、ひっそりと暮らしてそのまま死んでいきたい。そう思っていたんだが。

イザさんが、子供たちに手を差し伸べたのは、その姿があまりにも寂しそうだったから。初めから、助けてやろうと考えていたわけではありません。けれど、子供たちと関わり、何かしてやりたいと行動を起こしたとき、イザさん自身が前に踏み出すことになります。

長く生きていると、思い出すのもつらい過去、触れられたくない過去もできますし、相手もそうかと、踏み込み過ぎないようにしたり、いろいろ気を遣ってしまうものです。

でも、「助けて」という声にならない声が聞こえたときは、ちょっと頑張って、声を掛けてみませんか。何もできないかもしれないけれど、そこが始まり。情けは人の為ならず。私たち自身の次の一歩の始まりです。

   

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。