Book In Life 迷子の本棚

テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています

「いじめ」を追放したい

あなたの学校、職場、あなたが所属する団体の居心地は、いかがですか。

なんだか最近は、いじめの話を聞くことが多くて、心が痛みます。

きょうは、「いじめ」をテーマに紹介します。 

 

瀬尾まいこさんの『温室デイズ』

中学3年生、中森みちると前川優子は、親友だけれども暗い過去を背負っています。小学生のとき、同じクラスの斉藤君が不登校になりました。みちるはいじめに加担し、優子はいじめられっ子でした。二人とも、あの苦しい日々を繰り返すのは嫌だと思っています。再び、中学校が崩壊していくとき、 斉藤君は有能なパシリになりました。みちると優子は、どんな行動をとるのでしょうか。

いじめが、どのように始まって広がるのかが分かります。いじめられっ子たちの静かな戦いが、心にしみて切ない話です。 

温室デイズ (角川文庫)

温室デイズ (角川文庫)

 

いじめのターゲットにされたみちるが、ひどい目に遭わされるなら学校に行かなくてもいいと声を掛けられたのに対して、返した言葉があります。

どうしてみんなそんな風に言うの?(中略)

学校なんて休めばいいって。どうして?

だって、私何もわるいことしてないんだよ。病気にもなってない。

なのに、どうして教室に行くの、放棄しなくちゃいけないの?

学校に行かなくても大丈夫なようにするのが先生なの?

つらいことがあったら、逃げ場を作ってあげるのが先生たちの仕事なの?

そんなんじゃなくて、ちゃんとみんなが普通に教室で過ごせるようにしてよ。

 

いじめを止めるのが難しいことは、周知の事実です。苦しいときに、逃げることも認められるようになってきました。それは、素晴らしいことですが、いじめ自体がなくならなければ、いつまでたっても、苦しむ人が変わるだけ。一番の原因から目を背けたら、駄目なのです。 

 

梶尾真治さんの『ボクハ・ココニ・イマス 消失刑』

実刑判決を受けた浅見克則が実験段階にある新刑罰「消失刑」に処せられます。「消失刑」は、他者から存在を認識してもらえなくなるという刑罰です。受刑者は、微弱な特殊電波を発するバニッシング・リングを首につけられ、周囲の人々の目には見えなくなります。声を出せなくなります。一般人に1メートル以内に近づいたり、誰かに話しかけたり、電話をかけたり、手紙を書いたり、禁止行動をとろうとすると、リングが収縮して受刑者の首を絞めます。

人恋しい。誰かと話をしたい。克則は、 気が狂うほどの孤独を味わい、ホームレスたちの会話を離れたところから聞くことを慰めにします。 ある日、偶然に少年たちのホームレス襲撃計画を知ります。克則は、この危機をホームレスに知らせることができるのでしょうか。さらに、リングが故障し、刑務所管理センターが消失するという試練が起こります。克則は、元の生活に戻ることができるのでしょうか。 

ボクハ・ココニ・イマス 消失刑

ボクハ・ココニ・イマス 消失刑

 

 

消失刑とは、存在していることを否定する刑だ。(中略)

その刑を受けている期間、囚人は存在しないのだ。世の中の人々にとって。

その期間は言い換えれば、死者に等しいということなのだ。

「無視」は、原始的な嫌がらせ、いじめです。物を壊されたり、怪我をさせられたり、酷い言葉を投げつけられるのと同様に、心を疲弊させます。

無視をしている人のどんな言い分も、無視を正当化できる理由はありません。 

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。