Book In Life 迷子の本棚

テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています

アートにかける情熱を理解できるか

少しずつ、暑さが和らいできて、そろそろ芸術の秋の季節ですね。私たちが美術館や展示会などで楽しんでいるアート(美術品)の陰には、アートを守ろう、伝えようと情熱をかけるコレクターや学芸員の存在があります。

きょうは、そんなアートを支える人をテーマに紹介します。

 

山本幸久さんの『展覧会はいまだ準備中』

市立美術館の学芸員、今田弾吉は、当てられた仕事をこなすことで精一杯で、いまだ展示会の企画を採用されたことはありません。なりたい職業には就いたけれど、やりたいことをやってはいない。このままでいいのかという迷いを抱えています。そんなある日、大学時代の先輩から母親の遺品だという羊の水墨画を見せられます。じっくり見ていると、だんだんと心が和んできます。弾吉は、羊の水墨画を描いた乾福助の調査に乗り出します。 

展覧会いまだ準備中 (中公文庫)

展覧会いまだ準備中 (中公文庫)

 

先輩学芸員が弾吉にかけた言葉があります。

いまは長い道のりのスタート地点に立ったばかりだ。成果を挙げることができるかどうか怪しいし、評価されることもないかもしれない。でもそれを言ったら世の中の大半はそんなものだ。報われない努力を積みつづけたところで、だれも褒めてくれないどころか、ときには批難されてしまうことだってある。だけどやるんだよ。やらなくちゃ駄目なんだ。

心は簡単に動きません。心が動いたときに、走らないのはもったいないです。 

 

原田マハさんの『異邦人(いりびと)』

たかむら画廊の篁一輝は、妊娠中の妻、菜穂を原発事故による放射能の影響を避けるために、京都に逗留させます。菜穂はすぐに京都暮らしに飽きてしまいますが、気晴らしに出掛けた画廊で一枚の絵に出会います。優れた審美眼を持つ菜穂は、瞬時にそれを描いた無名画家、白根樹の才能を見抜きますが、一輝には理解できません。次第に、一輝と菜穂の間に距離が開き始め、菜穂は、東京へ帰るのを渋るようになります。新人画家に夢中になった菜穂がとった行動とは何か。一輝と菜穂はどうなってしまうのでしょうか。  

異邦人(いりびと) (PHP文芸文庫)

異邦人(いりびと) (PHP文芸文庫)

 

自分の心を動かしたもの、情熱を理解してもらえないときは、どうしたらよいのでしょうか。諦めた方が良いのか、それとも自分を信じて独りでも、無理を押しても走り続けた方が良いのか、難しい問題です。 

 

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ここまで読んでくださって、ありがとうございました。