Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

「相続」は感情を刺激する ~終活のすすめ~

あなたは「終活」してますか。まだまだ、人生の最期を迎える準備を始めるのは早いと思いますか。いいえ、より良く死ぬためには、より良く生きなければなりませんから、早すぎることはありません。

きょうは、終活をテーマにご紹介します。

 

朱野帰子さんの『真壁家の相続』

麟太郎おじいちゃんが亡くなって、慌てて駆け付けた孫娘のりんは、麟太郎の次男の嫁である母親と共に真壁家親族を迎えます。

穏やかに葬儀が進んでいるところへ、麟太郎の隠し子だと名乗る男が現れ、皆の意識が一気に遺産相続に向かいます。疑心暗鬼になった親族は、互いを攻撃し始めます。

真壁への財産なんておじいちゃんの家だけなのに。りんは、仲良かった家族の豹変に戸惑います。真壁家はいがみ合って、バラバラになってしまうのでしょうか。   

真壁家の相続

真壁家の相続

 

家族の「絆」は幻想。「我慢」の上に成り立っている

家族なんて脆いものなんですね。絆なんてものは幻想で、いろんなものを誤魔化して形を保っていただけなんですね。でも相続はそうはいかない。本当の気持ちが露になる。

りんは、最初は仲良かった家族の豹変ぶりに戸惑いますが、なんとか家族の絆をつなぎとめようと心を砕くうちに気づきます。

親戚同士が集まると自然とどこからかわいてきた、真綿に包まれたようなあたたかな空気は、大人たちの少しずつの我慢の上に成り立っていたのだ。

思うに、相続は、故人との関係の清算を求められているようで、感情を刺激するのです。

どんなに仲良い家族であっても、負の感情が芽生えることはあります。明日が続いていくときは、怒りをグッとこらえて、やり過ごすわけですが、これが最後の機会となると、過去の痛みを持ち出したくなるし、黒い感情が噴出して収拾がつかなくなります。

自分や家族がブラックになるところなんて、見たくないじゃないですか。今から、十分に時間があるうちに、あなたも、少しずつ終活を進めておきませんか。 

 

安田依央さんの『終活ファッションショー

司法書士の香川市絵は、他界した姑に望みの死装束を着せてやれなかったと嘆くお嫁さんを慰めようと「お棺に入るときに着せて欲しい服を発表するショー」を企画します。

ショーの参加者として、元会社役員夫妻や自称美魔女のセレブ婦人、口の悪いパート主婦、死に憧れる女子高生と様々な人が集まります。

どうすれば、自分の葬儀を想像できるのだろう。市絵は、ショーの参加者に課題を出していきます。「終活シミュレーション」「未来の年表」「大切な人へのメッセージ」「自分の人生を語る5枚の写真」。

ファッションショーを経て、参加者に、市絵に見えてきたものとは。。  

終活ファッションショー (集英社文庫)

終活ファッションショー (集英社文庫)

 

「生き切る」ために、終活しよう

終活ってのはさ、死ぬためのものだけじゃないんだよね。(中略)

いつ終わってもおかしくないからこそ、生き切るためにするものなんだよね。

自分の死に備えることは、今現在の自分の立ち位置を確認し、残り人生の過ごし方を考えることにつながります。終活=ライフプランの作成なのです!

巻末に「終活シミュレーション」「未来の年表」のテンプレートがついています。あなたもぜひ、作成してみませんか。 

 

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ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!