Book In Life 迷子の本棚

テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています

草木は、人を癒すのか

年を重ねるにつれ、ガーデニングや家庭菜園など、土いじり系の趣味をお持ちの人が多くなる気がします。趣味が高じて田舎暮らしを始める方もいらっしゃいます。どのあたりに魅了があるのでしょうか。

きょうは、草花をテーマに紹介します。

 

梶よう子さんの『御薬園同心 水上草介』シリーズ

のんびり屋の水上草介が、お役目である薬草栽培の知識と知恵で、惚れ薬はないか、気の弱さを直して欲しい等、持ち込まれた相談事や周囲の人間関係の問題を穏やかに解決していく短編連作。

 植物は草介を急かすこともない。 

 手をかけてやれば、きちんと応えてくれる。 

草介の草花好きは筋金入りで、口を開けば、薬効や食し方、とにかく草花に結び付けた話をするので、実に奥深い世界であることが分かります。しかしながら、草介が御薬園で働く者から「水草さま」という愛称で親しまれ、医者にも負けない本草の知識に頼られるようになっても、草花好きが広がっていく様子はありません。 残念ながら、草介が感じている草花の魅力は、万人に伝わるものではないようです。 

柿のへた 御薬園同心 水上草介 (集英社文庫)

柿のへた 御薬園同心 水上草介 (集英社文庫)

 

一作目:柿のへた 御薬園同心 水上草介 (集英社文庫)

二作目:桃のひこばえ 御薬園同心 水上草介

三作目:花しぐれ 御薬園同心 水上草介

  

有川浩さんの『植物図鑑』

一人暮らしのOL、河野さやかがマンションの玄関先で「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」と言われて、行き倒れ男、樹を拾うところから始まる甘々のラブストーリー。樹は、草花に詳しく、野草採集に出掛けては、ふきのとうの天ぷらやふきの混ぜご飯、つくしの佃煮など、採取した草を料理してみせ、さやかは次第に草木に興味を持つようになります。 

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

 

 

雑草という名の草はない

この2つの小説に、共通して出てくるセリフです。これは、「雑草」という呼称には価値がない、無用のモノという判断が含まれており、価値を見出せば、名前が与えられ、雑草ではなくなるということです。

ごく身近に関心を持つほどに奥深い世界が広がっているというのが、草花の魅力ではないでしょうか。 

 

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