Book In Life 迷子の本棚

読書で心を癒しましょう。テーマにあった本や映画の紹介と、その本や映画を通じて考えたことをアレコレ書いています。本に出てくるお料理の再現にも挑戦しています。

次の一歩を踏み出すとき

読書していて、これはいいと気に入った小説がシリーズ化されていると嬉しくなりますね。

シリーズ小説の良さは、ストーリーの雰囲気や登場人物が分かっていて安心して読めるところ、そして主人公と長い付き合いになって、友だちのような気持ちでストーリー展開に一喜一憂できるところです。 

きょうは、シリーズ小説の主人公たちに訪れた、次の一歩を踏み出す時期を描く2冊を紹介します。

 

ほしのさなえさんの『活版印刷日月堂 海からの手紙』

亡くなった祖父の印刷所「三日月堂」を再開した弓子さん。お客さんの気持ちに寄り添いながら、活版印刷のチラシや名刺を制作しているうちに、弓子さん自身にも心境の変化が訪れます。 

『海からの手紙』では、お客さんの依頼をこなすばかりだった弓子さんは、銅版画作家さんと一緒に豆本をつくったり、ひとりで扱った経験のない大きな印刷機を動かすことを考え始めたりします。 

いまできることだけをやってたんじゃ、ダメなんですよね。
できることを広げないと。

 

わたしが決めるしかない。
ここはもう(祖父の工場ではなく)わたしの工場ですから。

豆本を一緒に作った銅板画作家さんもまた、 こんなことを考えています。

時間は流れる。人は変わる。

それが生きているということだから。

私たちは人と関わり合い、つながり合う中で影響しあって、それが次に進むきっかけになっています。 

 

碧野圭さんの『菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日』

おいしいランチが評判の菜の花食堂では、月2回料理教室が開かれます。優れた料理人の靖子先生は名探偵でもあります。料理助手の優希や生徒さんたちが持ち込む謎を見事に解き明かします。ほっこり日常ミステリです。  

菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日 (だいわ文庫)

菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日 (だいわ文庫)

 

『きゅうりには絶好の日』では、食堂を訪れたお客さんとのご縁でマルシェに出店したり、靖子先生ご自慢のピクルスを瓶詰にして売り出そうというアイデアが出てきたりします。

私たちは元には戻れないし、今のままでいることもできませんけれど、無理に進もうとしなくてもいい。次の一歩を踏み出すのにふさわしい時期がきたら、ただ起きていることの流れに乗っていれば、きっと自然に道は開けます。 

 

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白ワインのお供に!「ことことこーこ」のレモンライスを作りました。

こちらの記事で紹介した『ことことこーこ』で、フードコーディネーターのこーこが白ワインに合う料理というお題に応えて作ったお母さんのレシピ:レモンライスを作りました。 

白いご飯の上に鶏肉と玉ねぎの入ったホワイトソースがかかっていて、スプーンですくって食べるとほんのり酸っぱい味がした。

食べ方は、カレーやハヤシライスと同じだが、その白くて上品な色合いと、なめらかな舌触りとほのかな酸味がなんともいえずおいしくて、私は大好きだった。

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レモンライス

 レモンライス

材料:

  • 鶏もも肉のぶつ切り
  • 玉ねぎ
  • マッシュルーム
  • にんにく
  • ホワイトソース(牛乳、小麦粉、バター)
  • サラダ油
  • レモン
  • 塩こしょう
  • パン粉

 

作り方:

  1. ホワイトソースをつくります
  2. 鶏肉と玉ねぎ、にんにく、マッシュルームをサラダ油で炒めます
  3. 2に1のホワイトソースを混ぜ込みます
  4. 塩こしょうで味を調えたら、レモン汁をたっぷり加えます
  5. ご飯の上に、4をかけます
  6. パン粉をまぶしてオーブンで焼きます。

 

試作メモ

  • マッシュルームが手に入らず、エリンギで代用しました。
  • にんにく好きなら、スライスせずにごろごろカタチを残すと、食べ応えがあって美味しいです。
  • ホワイトソースは、1の段階ではスープ風にゆるめに仕上げるのが良さそう。3で熱が加わって、ぽってりソースに変わります。

 

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だれも、だれかの代わりにはなれない

あなたは「自分の代わりはいくらでもいる」あるいは「自分は誰かの代わりに過ぎない」という想いを抱くことがありますか。

私たちはみんな、自分を、他の誰でもない自分を認めて欲しいと願っています。

きょうは、身代わりをキーワードにアイデンティティを考えます。

 

岡崎琢磨さんの『珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように』

珈琲店タレーランの常連客アオヤマは、中学時代の憧れのお姉さん、眞子と11年ぶりに偶然の再会を果たします。眞子はアオヤマが理想のコーヒーを追い求めるきっかけになった人物。アオヤマは、悩みを抱えている様子の眞子を元気づけようと珈琲店タレーランに誘います。

バリスタ美星が、アオヤマと眞子の過去と現在、京都の舞台にふさわしい源氏物語が絡み合うミステリを解き明かします! 

珈琲店タレーランの事件簿5』には、別れた恋人が忘れられない男女が登場します。別れた恋人の代わりを追い求めてしまう。愛する人はかつての恋人のことを忘れられず、自分は身代わりに過ぎない。

悲しい行き詰まりを嘆く場面で、美星は身代わりと感じる苦しみを形代に託して流してみせます。

自分は身代わりに過ぎないと言うのに対して、そんなことはないと否定するのは簡単ですが、深く思い詰めている人の心には響きません。

どうしても身代わりという考えから離れられないときは、それを捨て去る、目に見える行動を取ることが、きっと気持ちを切り替える助けになります。

 

ほしのさなえさんの『活版印刷 三日月堂 星たちの栞』

川越にある古い印刷所 「三日月堂」。そこは活版印刷のお店で、お客さんの作りたい形を一緒に探してくれます。昔ながらの活版印刷の温かみのある風合いに惹かれて、人が集まり、作りたい形が見つかったとき、心のしこりや引っ掛かりがほどけていることに気づきます。心温まる4つの短編集です。 

自分に自信が持てなくて居心地の悪さを感じている人たちが『活版印刷 三日月堂』を訪れます。

珈琲店「桐一葉」の若き店主、岡野くんもそのひとり。伯父から店を継いだものの、自分は伯父の代わりに過ぎず、そして伯父にはかなわないと思っています。

日月堂の店主の弓子さんは、「だれも、だれかの代わりになんて、なれませんよ」と言います。そしてショップカードを作りたいけれど、どんなカードが良いか分からないという岡野くんに、こう聞きます。

言葉にできなくても、なにかしらイメージはあると思うんです。
たとえば、『これがいい』というのは言えなくても、
『これはちょっと違う』っていうのはあるでしょう?

目の前から違うと感じるものを除いて、残ったものから、 自分の中にあるイメージが少しずつ見えてきます。

「自分らしさ」「個性」を打ち出すというと、何か他の人と決定的に異なるもの、斬新なものを思い浮かべてしまうけれど、目新しくある必要はないのです。どの紙にどのインキで刷るか。何を選んで何と組み合わせるか。そこに、その人らしさが表れます。  

素敵なお店ですけど、素敵であり続けるには、
ちょっとずつ更新しなくちゃいけないのかもしれませんね

いま素敵だと感じるものは、時が経つうちに古臭く陳腐になっていきます。

別のものを組み合わせることで、次の時代も素敵だと思えるものができます。今までの名残があるから続いている気がするけれど、それは新しいもの。何かを受継ぐということは、物真似ではすみません。

だれも、誰かの代わりにはなれないし、代わりになる必要もありません。私たちは過去を受継いで、新たに続けていくのです。

 

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「勝つ覚悟」がありますか

あなたは勝つのが好きですか。たとえ、暇つぶしのジャンケンだって勝てばうれしいですものね。

でも、ただ勝てばいい、勝てばハッピーというものではないようですよ。

 

近藤史恵さんの『キアズマ』

大学生になった正樹は、自転車部から強い勧誘を受けて入部したのをきっかけに、ロードレースにのめり込んでいきます。どこまで行けるか試してみたい。メキメキと力をつけ、すっかり夢中になったところで、ロードレースは楽しいことばかりではないことに気づきます。他人を傷つける可能性のあるスポーツはしないつもりだったのに。中学の時のつらい思い出がよみがえります。正樹はどんな決断をするのでしょうか。

キアズマ (新潮文庫)

 

正樹は、とくにやりたいとも思わずにロードレースを始め、たまたまロードレースの素質があって、初心者とは思えない好成績を打ち出します。本人は特別なことをしている意識がないので、昨日まで親しくしてくれた先輩から急にライバル視されて、戸惑います。

「運がよかっただけ」という正樹に、自転車部の部長、村上は、こう諭します。

覚えとけよ。運悪く、強い選手が負けることはある。

でも、運がいいだけで弱い選手が勝つことなんかない。

勝利の陰には、敗北の悔し涙があることを考えたら、「たまたま運が良かった」というのは謙虚よりも不遜に聞こえます。

 

正樹の友だちは、中学の時に事故で障害を負っています。それ以来、少しでも視野他人を傷つけることを避けたい、安全とは言い切れないスポーツをするなんてあり得ないと考えてきたのですが、ふと気がつきます。

どうやっても死や事故はついてまわる。

自分が死なない限り、逃げられるわけではない。 

勝利は、事故の可能性に向き合い、乗り越えたところにあります。

 

勝ちたいとおもうなら、覚悟を決めなければなりません。勝つまでの道のりにあるものを乗り越える覚悟。勝った先にあるものを受け止める覚悟を。 

 

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テーマ別お勧めの本 (2019年9月)

読者の皆さま 

いつもブログを読んでくださって、スターやブックマークをつけてくださって、ありがとうございます。

再びというか、引き続き「書けない」苦しみを抱えていて、ついに週3回更新を諦めることにしました。最近は、完全に自転車操業状態で、しかも伝えたいことを文章に乗せられていな~いと感じている段階で公開になってしまうことも。いまいちな内容なら、むしろ更新しない方がいいのではと迷っていました。

これからは週2回更新でいきます。よろしくお願いいたします。

 

さて、9月のテーマの振り返りです。

 リタイアメント・ライフ

仕事を終えてから、どう過ごすのがよいか。年老いた親の介護をどうするか。なかなか答えが見つかりません。

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居場所

誰もが自分の居場所を求め、守ろうと必死です。

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その他、とりとめなく扱ったテーマ  

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あなたに「読んで良かった」と思っていただけた記事があったら嬉しいです。ちょっとでも気に入ったところがありましたら、ぜひスターをつけて応援してください。

これからもどうぞ、よろしくお付き合いください。

 

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おかげさまでブログ2年目に入りました!去年の今頃のまとめ記事です。
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